選挙費用

選挙の費用相場を選挙種別に完全比較|市議・町議・県議・市長選まで

選挙の費用は種類でいくら違う?市議30万円・町村議15万円・県議60万円・市長100万円の供託金から、法定制限額の計算式、公費負担で賄える範囲まで法律の数字で比較。試算ツール付き。

「選挙に出るには、いくらかかるのか」。これを調べ始めると、200万円、300万円、1000万円と、記事ごとにまったく違う数字が出てきます。どれが自分に当てはまるのか分からないまま、なんとなく高そうだという印象だけが残ってしまう。

数字がばらつくのには理由があります。選挙の種類によって、かかるお金の桁が変わるからです。市議会議員選挙と県議会議員選挙では、供託金だけで2倍の差があります。この記事では選挙種別ごとの費用を、法律で決まっている数字にもとづいて並べて比較します。最後に、あなたの条件を入れて試算できるシミュレーターも用意しました。

この記事は2026年8月時点の公職選挙法・同法施行令および各自治体の公表資料にもとづいています。公費負担の上限額は各自治体が条例で定めるため、お住まいの自治体では金額が異なります。必ず地元の選挙管理委員会で最新の額をご確認ください。

結論:選挙の費用は3つの層でできている

選挙費用の話が噛み合わなくなるのは、性質のまったく違うお金をひとまとめに「選挙費用」と呼んでいるからです。実際には3つの層に分かれます。

第1層:必ず払う 供託金 法律で全国一律。得票が届けば全額返還されます
第2層:公費で賄える 選挙三点 選挙カー・ポスター・ビラ。自治体が業者へ直接支払います
第3層:全額自費 事務所等 事務所・人件費・後援会活動。ここが総額を左右します

ネットで見かける「200万円」「300万円」という数字のほとんどは、第3層を大きく積んだ場合の総額です。逆に第2層を制度どおりに使い、第3層を絞れば、必要なお金は第1層の供託金にかなり近づきます。

選挙種別を問わない3つの原則

  • 供託金の額は選挙の種類だけで決まる。自治体の規模や候補者の事情では変わりません
  • 公費負担を受けるには一定の得票が必要。届かなければ選挙カーもポスターもビラも全額自己負担になります
  • 公費負担の上限額は自治体の条例次第。同じ「市議会議員選挙」でも金額が違います

選挙種別ごとの費用を比較する

供託金の比較

供託金は立候補のときに法務局へ預けるお金です。一定の得票を得れば、当選・落選にかかわらず全額返還されます。額は公職選挙法で全国一律に決まっています。

選挙の種類供託金返還されるライン
市議会議員選挙(指定都市以外)30万円有効投票総数 ÷ 議員定数 × 1/10
町村議会議員選挙15万円有効投票総数 ÷ 議員定数 × 1/10
指定都市の議会議員選挙50万円有効投票総数 ÷ 議員定数 × 1/10
都道府県議会議員選挙60万円有効投票総数 ÷ 議員定数 × 1/10
町村長選挙50万円有効投票総数 × 1/10
市長選挙(指定都市以外)100万円有効投票総数 × 1/10
指定都市の市長選挙240万円有効投票総数 × 1/10
都道府県知事選挙300万円有効投票総数 × 1/10
衆議院議員選挙(小選挙区)300万円有効投票総数 × 1/10
参議院議員選挙(選挙区)300万円有効投票総数 × 1/8

注目してほしいのは議員の選挙と、首長の選挙で返還ラインの計算式が違う点です。議員選挙は有効投票総数を議員定数で割ってから10分の1にします。定数が多いほどラインは下がります。首長選挙は割り算がないぶん、ハードルがずっと高くなります。

町村議会議員選挙の15万円が最も低く、次が市議会議員選挙の30万円。地方議員への挑戦は、この意味で最も入口が広い選挙です。

選挙運動期間の比較

選挙運動ができる期間は、選挙の種類によって決まっています。この日数が重要なのは、選挙カーの公費負担が「1日あたりの上限額 × 日数」で計算されるからです。期間が長い選挙ほど、公費で使える枠も大きくなります。

選挙の種類選挙運動期間選挙カーの公費枠への影響
市議会議員選挙・市長選挙7日間日額上限 × 7
都道府県議会議員選挙9日間日額上限 × 9
衆議院議員選挙12日間日額上限 × 12
参議院議員選挙17日間日額上限 × 17
都道府県知事選挙17日間日額上限 × 17

指定都市と町村の日数はこの表に含めていません。自治体によって扱いが分かれるため、地元の選挙管理委員会でご確認ください。

期間前の選挙運動は禁止されています

選挙運動ができるのは、立候補の届出が受理されてから投票日の前日までです。それより前に「私に投票してください」と呼びかける行為は事前運動として公職選挙法で禁止されています。準備期間にできるのは、政治活動や後援会活動の範囲に限られます。

法定制限額の比較

あまり知られていませんが、選挙運動に使ってよい金額には法律上の上限があります。これを法定制限額といい、公職選挙法194条と同法施行令127条で計算式が決まっています。「いくらでも金をかけた者が勝つ」という選挙にしないための仕組みです。

議員選挙の法定制限額の計算式

選挙人名簿登録者数 ÷ 定数
×
人数割額 ◯◯円
+
固定額 ◯◯万円
=
使ってよい上限 法定制限額

首長の選挙には「÷ 定数」がありません。登録者数にそのまま人数割額を掛けます。計算した額の100円未満は切り上げます。

選挙の種類人数割額固定額
市議会議員選挙501円2,200,000円
市長選挙81円3,100,000円
都道府県議会議員選挙83円3,900,000円

実際の数字を当てはめます。宮崎県延岡市が公表している試算では、選挙人名簿登録者数108,100人・市議会議員の定数29人の条件で、次のようになります。

市議会議員選挙:108,100 ÷ 29 × 501 + 2,200,000 = 4,067,600円

市長選挙:108,100 × 81 + 3,100,000 = 11,856,100円

ここで誤解しないでいただきたいのは、これは「使ってよい上限」であって「かかる金額」ではないということです。400万円まで使ってよいという意味であって、400万円必要という意味ではありません。実際にはこの上限のはるか手前で戦っている候補者が大半です。

MOPPsならポスターとビラは持ち出し0円。街宣車も手配します。まずは自治体の上限額を無料でお調べします

選挙費用シミュレーター

あなたの条件を入れると、供託金・法定制限額・公費で賄える目安を試算します。選挙人名簿登録者数がわからない場合は、自治体の有権者数でおおよその計算ができます。

選挙費用シミュレーター

選挙の種類と規模を入れると、必要な金額の目安を計算します

同じ品目でも、発注先によって金額は変わります

ここまでは、選挙の種類で決まる金額を見てきました。最後に、同じ選挙でも発注先によって変わる部分を確かめておきます。

ポスターとビラの印刷代は、上限単価の範囲内であれば自治体が業者へ支払います。ここはどの業者に頼んでも自己負担は発生しません。差がつくのは公費の枠の外側、とくにデザイン制作費と街宣車です。

選挙用品の費用比較シミュレーター

ポスター・ビラ・街宣車は必須。そのほかは入れるかどうかを選んで、金額の差を確かめられます

必ずかかる3品目 チェックは外せません。ポスターとビラの印刷代は公費負担の対象です

    当社は車両をお貸ししません

    私たちがお届けするのは街宣車キット(看板・装飾一式)です。お手持ちの自家用車、またはご自身で借りたレンタカーに取り付けていただく形で納品します。かかるのはキットの印刷代だけです。

    そのうえで、レンタカーの借上げ料・燃料代・運転手の報酬は、いずれも公費負担の対象です(公職選挙法施行令第109条の4)。車両代がそのまま持ち出しになるわけではありません。千葉県浦安市の例では、個別契約方式の7日間で254,100円までが公費の枠です。

    入れるかどうかを選べる品目 チェックを入れると合計に加わります

      街宣車の扱いには補足が必要です。私たちは車両をお貸ししません。お手持ちの自家用車か、ご自身で借りたレンタカーに取り付けられる街宣車キット(看板・装飾の一式)をお届けします。そしてレンタカーの借上げ料・燃料代・運転手の報酬は、いずれも公費負担の対象です(公職選挙法施行令第109条の4)。車両代がそのまま持ち出しになるわけではありません。

      のぼり旗・スタッフジャンパー・事務所看板の3品目は、汎用のネット通販業者のほうが安く出ます。シミュレーターでも、そのまま差額をマイナスで表示します。品目ごとの内訳と、デザイン費の相場の詳細は市議会議員選挙の費用はいくら?内訳と、公費負担で持ち出しを0円に近づける方法で解説しています。

      金額の性質がそろっていない点にご注意ください

      シミュレーターの当社欄は印刷代・資材費のみの原価です。デザイン制作は自社で行うため、原価に計上していません。他社欄は特定の1社の見積ではなく、公開価格を掲載している複数の事業者の価格を品目ごとに拾った参考値(2026年10月時点)です。街宣車の他社金額だけは公開価格ではなく、車両リース込みの実勢価格です。実際の見積は、仕様・部数・納期・地域によって上下します。

      なぜ「200万〜300万円」と言われるのか

      ここまで見ると、供託金30万円と公費負担でかなりの部分が賄えるように思えます。ではなぜ、多くの記事に「200万〜300万円」と書かれているのでしょうか。

      理由は第3層、つまり公費負担の対象外の支出です。具体的には次のようなものです。

      項目内容公費負担
      選挙事務所賃料、光熱費、通信費、机や椅子対象外
      人件費事務員、ウグイス嬢、運動員への報酬対象外
      後援会活動費名刺、リーフレット、会報、集会の会場費対象外
      ウェブサイト・SNS制作費、広告費対象外
      選挙運動用自動車車両・燃料・運転手対象
      ポスター・ビラ作成費(上限あり)対象

      事務所を借り、複数のスタッフを雇い、後援会活動を一年がかりで展開すれば、当然200万円を超えます。しかしこれは「必要な費用」ではなく「選んだ戦い方の費用」です。自宅を拠点にし、家族と少数のボランティアで動き、後援会活動をSNS中心に切り替えれば、この層は大幅に圧縮できます。

      MOPPsにご依頼いただいた場合

      ポスターとビラは、公費負担の範囲内で制作します。候補者の持ち出しは0円です。自治体の条例で上限額を確認したうえで、その枠に収まるよう見積もりを組むためです。街宣車(選挙カー)の手配も行います。車両・燃料・運転手それぞれの契約と、選挙管理委員会への届出まで一括でお引き受けします。

      詳しくは0円選挙.COMのサービス案内をご覧ください。市議会議員選挙の費用をさらに詳しく知りたい方は、市議会議員選挙の費用の記事もあわせてどうぞ。

      選挙種別ごとの注意点

      市議会議員選挙:最もバランスがよい

      供託金30万円、選挙運動期間7日間。公費負担の対象も3項目そろっています。返還ラインが「有効投票総数 ÷ 議員定数 × 1/10」で計算されるため、定数の多い議会ほど供託金は戻りやすくなります。定数30人の市なら、有効投票6万票で200票が目安です。

      町村議会議員選挙:供託金が最も低い

      供託金は15万円と、すべての選挙のなかで最も低額です。2020年6月の公職選挙法改正で、町村の選挙にも市と同じ範囲の選挙公営が広がりました。ただし実際に導入するかは各町村が条例で決めるため、制度がまだない自治体もあります。立候補を考えている町村の選挙管理委員会に、条例の有無を必ず確認してください。

      都道府県議会議員選挙:供託金は倍、期間は9日

      供託金60万円は市議会議員選挙の2倍です。選挙区も広くなり、移動と広報のコストが上がります。ただし選挙運動期間が9日間あるため、選挙カーの公費枠は市議選より大きくなります。

      市長選挙:返還ラインが一気に上がる

      供託金100万円に加えて、返還ラインの計算式に「÷ 議員定数」がありません。有効投票総数の10分の1を単独で取る必要があります。議員選挙とは別の難易度だと考えたほうが実態に合います。

      よくある質問

      結局、いちばん安く挑戦できる選挙はどれですか?

      供託金だけで言えば町村議会議員選挙の15万円です。次が市議会議員選挙の30万円。ただし「安さ」だけで選ぶ話ではありません。あなたが暮らし、働き、課題を感じている地域の議会に出ることが前提です。そのうえで、地方議員の選挙は国政より入口が広い、と理解していただくのがよいと思います。

      法定制限額を超えたらどうなりますか?

      公職選挙法違反になります。選挙運動費用は選挙後に収支報告書として選挙管理委員会へ提出する義務があり、そこで制限額との突き合わせが行われます。ただし前述のとおり、制限額は実際の支出よりかなり高く設定されているため、通常の選挙運動で超えることはまずありません。

      供託金は誰かに借りてもいいのですか?

      供託金そのものは候補者本人が用意して法務局へ預けます。資金の出どころについては、選挙運動費用の収支報告で寄附や借入として正しく記載する必要があります。処理を誤ると法令違反になりかねないため、政治資金の扱いに詳しい専門家へご相談ください。

      公費負担はどの選挙でも使えますか?

      国政選挙と都道府県・市の選挙では制度が整っています。町村の選挙は2020年の法改正で対象になりましたが、実施には各町村の条例が必要です。また、どの選挙でも供託物没収点以上の得票が条件になります。ここに届かなければ全額が自己負担です。

      シミュレーターの結果はどこまで信用できますか?

      供託金と法定制限額は法律と施行令で計算式が決まっているため、入力値が正しければ実額に近い数字が出ます。一方、公費負担の枠は国の基準額をもとにした目安です。実際の上限額は自治体の条例で定められるため、必ず地元の選挙管理委員会で確認してください。

      まとめ

      選挙費用の数字がばらつくのは、供託金・公費で賄える部分・全額自費の部分という性質の違うお金を、ひとまとめに語っているからです。この3層に分けて考えれば、自分の場合はいくらなのかが見えてきます。

      • 供託金は選挙の種類だけで決まる——町村議15万円、市議30万円、県議60万円、市長100万円
      • 公費負担の枠は選挙運動期間の日数で変わる——市議選は7日、県議選は9日
      • 法定制限額は「使ってよい上限」であって「かかる金額」ではない——上限の手前で戦う候補者が大半です
      • 200万〜300万円の正体は第3層——事務所と人件費をどう設計するかで総額は変わります

      ポスターとビラは持ち出し0円。街宣車の手配まで、まとめてお任せください

      0円選挙.COMは、ポスターとビラを公費負担の範囲内で制作します。候補者の持ち出しは0円です。街宣車(選挙カー)の手配も、車両・燃料・運転手の契約から選挙管理委員会への届出まで一括で行います。政治現場10年以上の実務者と、京都大学大学院で研究を続けるメンバーが、あなたの選挙区の条例を調べたうえでご提案します。相談は無料です。

      出典

      1. 総務省「立候補を目指す方へ(なるほど!選挙)」 https://www.soumu.go.jp/senkyo/senkyo_s/naruhodo/naruhodo18.html
      2. 神戸市「選挙の種類別の供託金の額はいくらですか?」 https://faq.city.kobe.lg.jp/faq/show/4026
      3. 延岡市「選挙運動費用っていくら?」(法定制限額の計算式と試算) https://www.city.nobeoka.miyazaki.jp/soshiki/79/2729.html
      4. 香川県選挙管理委員会「平成31年4月7日執行香川県議会議員選挙における選挙運動に関する支出金額の制限額」 https://www.pref.kagawa.lg.jp/documents/6357/wn3lfj190401110102_f03.pdf
      5. 習志野市「各選挙の選挙期間はどのくらいなのか。」 https://www.city.narashino.lg.jp/soshiki/senkyokanriiinkaijimukyoku/faq/senkan13.html
      6. 浦安市「選挙運動費用の公費負担」 https://www.city.urayasu.lg.jp/shisei/senkyo/senkyo/1003176.html
      7. 選挙広告制作所「制作料金」 https://senkyo-koukoku.com/price/
      8. 販促クリエイト.jp(小川印刷)「選挙運動用 公選推薦はがき」 https://www.hansoku-create.jp/shop/g/g200202/
      9. 販促クリエイト.jp(小川印刷)「選挙運動用たすき」 https://www.hansoku-create.jp/shop/g/g360040/
      10. のぼり屋さんドットコム「600×1800mm 価格表」 https://nobori-print.just-shop.jp/original/600_1800.php
      11. オリジナルプリント特急便「ブルゾン・ジャンパー」 https://www.original-print.jp/product-category/blouson/
      12. チットプラス「ターポリン横断幕 価格表」 https://www.cittoplus-maku.com/price_tarpo.php

      株式会社MOPPs/0円選挙.COM

      選挙運動・政治活動支援/立候補手続きの行政書士代行

      京都大学大学院の現役社会人学生を中心とした学生ベンチャーです。政治現場10年以上の実務者、政策立案の経験者、法科大学院出身者、AI研究者が在籍しています。選挙カー・ポスター・ビラを公費負担の範囲内で手配し、候補者の持ち出しを0円に近づける支援を行っています。TEL 050-8885-6420/senkyo@mopps.co.jp

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