選挙費用

選挙コンサル・選挙プランナーの費用相場と選び方|公表料金と公選法の線引き

選挙コンサル・選挙プランナーの費用相場を公表料金で比較。公費負担の対象外である理由、公職選挙法で報酬を払える範囲と上限額、連座制のリスク、失敗しない選び方を解説します。

「選挙は一人では戦えない」と聞いて、選挙コンサルや選挙プランナーを探し始めた方も多いはずです。ところが料金を調べると、1時間3万円の相談から、2か月で90万円を超えるプランまで幅がありすぎて、何が適正なのか判断できません。

選挙コンサルの費用は、選挙カーやポスターと違って公費負担の対象外です。つまり全額が候補者の持ち出しになります。しかも支払い方を間違えると、公職選挙法の買収罪や連座制に触れるおそれがあります。この記事では、公表されている料金表で相場を押さえたうえで、法律が引いている「払ってよい報酬」の線を条文で確認し、頼む前に自分で削れる費用まで整理します。

この記事は2026年10月時点の公職選挙法・公職選挙法施行令・行政書士法および各事業者の公表資料にもとづいています。料金は各社が公表している金額で、改定される場合があります。公費負担の内容は各自治体の条例で定められるため、自治体によって異なります。実際の契約や手続きにあたっては、必ずお住まいの選挙管理委員会にご確認ください。

結論:選挙コンサルの費用は全額自己負担。相場は時間3万円前後、伴走型で90万円から

選挙コンサルに払う費用は、公費負担の対象ではありません。選挙運動用自動車・ポスター・ビラのように自治体が業者へ直接支払う仕組みは、コンサルティング料には用意されていないからです。支払った額はそのまま候補者の持ち出しになり、さらに選挙運動費用の収支報告書に計上する対象にもなります。

まず、実際に公表されている金額を見てください。いずれも各社がウェブサイトで出している料金です。

単発相談(1時間あたり) 1.1〜5.0万円 行政書士事務所の11,000円(税込)から、コンサル会社の30,000円、選挙用品店の50,000円(税抜)まで
新人向け伴走プラン(2か月) 90万円〜 ジャッグジャパンのスタートアッププラン。印刷物やグッズを含めると総額130万円〜と公表
自動音声の情勢調査(1万コール) 23万円 リサーチコムの設定費30,000円+コール費200,000円(いずれも税別)。回収サンプルは250が目安

選挙コンサルを検討する前に押さえる5つのこと

  • コンサル料は公費負担の対象外です。選挙カー・ポスター・ビラとはお金の出どころが根本的に違います
  • 「選挙プランナー」は法律上の資格ではありません。名乗るのに免許も登録も要りません
  • 選挙運動は無報酬が原則です。報酬を払えるのは、届け出た事務員・車上運動員・手話通訳者・要約筆記者と、労務者だけです(公職選挙法第197条の2)
  • 官公署に出す書類を報酬を得て作成できるのは行政書士だけです(行政書士法第19条第1項)。立候補の届出書類はここに入ります
  • 外部の人間に選挙運動の計画立案を任せると、連座制の対象者が増えます(同法第251条の3)。当選が無効になり、5年間立候補できなくなる制度です

ポスターとビラは公費負担の範囲内で制作し、持ち出し0円。街宣車も手配します。まずは無料でお見積もり →

選挙コンサル・選挙プランナーは何をしてくれるのか

「選挙コンサル」と呼ばれている仕事の中身は、実は一枚岩ではありません。契約書に「選挙コンサルティング一式」とだけ書かれていると、何にいくら払ったのか後から説明できなくなります。収支報告書の記載でも、法令上の線引きでも、業務を分けて考えることが出発点です。

業務は「戦略」「制作」「法務・事務」の3層に分かれる

各社が公表しているサービス一覧を突き合わせると、提供内容はおおむね次の3層に整理できます。

層 具体的な業務 資格の要否 自分でできるか
戦略 情勢調査・有権者動向調査、選挙区のエリア分析、選挙戦略の立案、演説指導、スピーチライティング 不要 調査は外注が現実的。分析と戦略は本人の判断が要ります
制作 ポスター・ビラ・名刺の制作、写真撮影、ウェブサイト制作、SNS運用、のぼり・看板制作 不要 ポスターとビラは公費負担の対象。制作会社へ直接頼めます
法務・事務 立候補届出書類の作成、政治団体(後援会)設立届、選挙運動用自動車の届出、収支報告書の作成 行政書士 自分で作るか、行政書士に頼むかの二択です
選挙運動そのもの 街頭での呼びかけ、戸別の支持拡大、電話での投票依頼 報酬不可 無報酬のボランティアか、届け出た事務員・車上運動員が担います

最下段の「選挙運動そのもの」が、金額の話より先に押さえるべき一線です。ここを外部に有償で委託すると、公職選挙法第221条の買収罪に触れるおそれがあります。詳しくは後半で条文に沿って説明します。

「選挙プランナー」は法律上の資格ではない

選挙プランナー、選挙コンサルタント、選挙アドバイザー。どの名称にも、法律で定められた資格制度や登録制度はありません。名乗ることは誰にでもできます。

一方で、できる業務には法律の制限があります。行政書士法第1条の3第1項は、他人の依頼を受け報酬を得て「官公署に提出する書類」を作成することを行政書士の業務と定めています。そして同法第19条第1項は、行政書士または行政書士法人でない者が「他人の依頼を受けいかなる名目によるかを問わず報酬を得て、業として」この業務を行うことを禁じています。

立候補の届出書類も、政治団体の設立届も、選挙運動用自動車の使用に関する届出も、提出先は選挙管理委員会です。つまり官公署に提出する書類です。「コンサル料に含まれています」という説明で資格のない業者が作成していた場合、その業者が行政書士法違反に問われる可能性があります。立候補の手続きそのものについては選挙に立候補するには|手続き・必要書類・期限の完全ガイドで必要書類まで整理しています。

0円選挙.COMの立ち位置

私たちMOPPsには、法科大学院出身のメンバーが在籍し、立候補手続きの行政書士代行を提供しています。だからこそ、「資格が要る業務」と「要らない業務」を分けて見積りを出しています。契約書に業務の内訳が書かれているかどうかは、あなたが相見積りを取るときの判断材料にしてください。

公表料金で見る費用相場

選挙コンサルの料金は「個別見積」とだけ書かれていることが多く、相場がつかみにくい分野です。そこで、金額を公表している事業者の料金表を並べました。いずれも2026年10月時点で各社のサイトに掲載されている金額です。

時間単価で比べる

選挙相談の1時間あたりの公表料金の比較 単発相談の1時間あたり料金(各社の公表値) 行政書士事務所 11,000円(税込) 選挙コンサル会社 30,000円 選挙用品店の対面相談 50,000円(税抜) 同じ「1時間の相談」でも4.5倍の開きがあります。何を持ち帰れるかで比べてください。
図1:単発相談の1時間あたり料金(河童行政書士事務所・ジャッグジャパン・選挙用品ドットコムの公表値。税の表示は各社の記載に従いました)

パッケージと個別業務の料金

事業者・業務 内容 公表料金
ジャッグジャパン/スタートアッププラン 無所属・新人・一般市議会議員選挙に限定した2か月のコンサルティング 90万円〜
(印刷物等を含めると総額130万円〜)
ジャッグジャパン/顧問契約 初期費用+月額費用。選挙種別と現職・新人の別で変動 個別見積
選挙用品ドットコム/選挙写真撮影 カメラマン派遣 60,000円(税抜)
選挙用品ドットコム/選挙写真撮影 カメラマン+メイク 100,000円(税抜)
河童行政書士事務所/立候補届出書類 届出書類一式の作成・確認(簡易プランは55,000円〜) 88,000〜165,000円(税込)
河童行政書士事務所/後援会 政治団体(後援会)設立届出書の作成 66,000〜132,000円(税込)
河童行政書士事務所/自動車 選挙運動用自動車関係の届出書作成 55,000〜110,000円(税込)
河童行政書士事務所/収支報告 選挙運動費用収支報告書の作成支援 132,000〜275,000円(税込)
河童行政書士事務所/公費申請 公費負担申請書の作成支援 66,000円〜(税込)

情勢調査は「コール数×単価」で決まる

戦略層で最も金額が動くのが情勢調査です。自動音声の電話調査サービス「リサーチコム」は、設定費用1回30,000円(税別)に、コール数に応じた料金を加算する方式を公表しています。

自動音声電話調査のコール数別の公表料金 自動音声電話調査のコール数別料金(税別・設定費別) 1万コール 200,000円 回収サンプル目安 250 2万コール 400,000円 回収サンプル目安 500 3万コール 600,000円 回収サンプル目安 750 5万コール 950,000円 5%引き・目安 1,250 10万コール 1,800,000円 設問は性別・年齢+5問以内が基本。追加は1問あたり1コール5円(税別)、支払いは全額前払い。
図2:自動音声型電話調査サービスの公表料金(リサーチコム。10万コールは10%引き後の金額です)

市議会議員選挙の規模で有権者の傾向をつかむなら、1〜3万コールが現実的な範囲です。設定費を含めて23万〜63万円(税別)。これだけで、後述する市議会議員選挙の法定制限額の1割以上を使うことになります。

見積りで必ず確認すること
  • 総額か、月額か。顧問契約は初期費用+月額の組み合わせが一般的です。選挙までの月数を掛けた総額で比べてください
  • 印刷物の実費が含まれるか。ジャッグジャパンは90万円のプランとは別に印刷物等で総額130万円〜と明示しています。含まれない前提で見積りを読みましょう
  • 業務ごとの内訳があるか。「一式」の見積りは、収支報告書に区分して記載するときに困ります
  • 成功報酬が含まれていないか。当選を条件に金銭を支払う約束は、公職選挙法上の疑義が生じます

コンサル費用が公費負担の対象外である理由

選挙公営制度(公費負担)は、選挙運動用自動車・ポスター・ビラ・通常葉書など、公職選挙法が個別に条文で定めた費目だけを対象にしています。たとえば自動車は第141条第8項、ビラは第142条第11項、ポスターは第143条第15項が、それぞれ「条例で定めるところにより無料とすることができる」と定めています。

コンサルティング料について、同じような規定はありません。したがって、どれほど選挙に必要な支出であっても、公費が出る仕組みは存在しないのです。

公費負担の対象になる費目

自治体が業者へ直接支払う

選挙運動用自動車(車両・燃料・運転手)/選挙運動用ポスター/選挙運動用ビラ/通常葉書

条例があることが前提。上限額の範囲内なら候補者の持ち出しはありません

対

コンサル料・調査費

全額を候補者が負担

戦略立案/情勢調査/ウェブサイト制作/写真撮影/行政書士報酬/事務所の賃料

公費の規定がないため、支払った額がそのまま持ち出しになります

裏を返せば、公費負担が使える費目を先に使い切るほど、コンサルに回せる予算が増えるということでもあります。対象と上限額の全体像は選挙公営制度とは?公費負担の対象・上限額を選挙別に完全解説に、費目ごとの詳細は選挙ポスターの公費負担と選挙カーの公費負担にまとめています。

公職選挙法が引く線:誰に、いくらまで報酬を払えるのか

ここからが、金額よりも大事な話です。

選挙運動は無報酬が原則

公職選挙法は、選挙運動に従事する人へ報酬を払うことを原則として認めていません。報酬を払えば、第221条第1項第3号の「選挙運動をし……たことの報酬とする目的をもつて……財産上の利益……の供与」に当たり、買収罪が成立しうるからです。法定刑は3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金。候補者本人、選挙運動を総括主宰した者、出納責任者がこれを犯した場合は4年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金に重くなります(同条第3項)。

その例外が第197条の2です。同条第2項は、報酬を支給できる対象を「選挙運動のために使用する事務員」「選挙運動用自動車・船舶の上における選挙運動のために使用する者(車上運動員)」「専ら手話通訳のために使用する者」「専ら要約筆記のために使用する者」の4つに限定しています。加えて、ビラ配りや物品運搬といった機械的な作業をする「労務者」には報酬を払えます。

上限額は施行令で決まっている

区分 1人1日あたりの上限 根拠
選挙運動事務員 15,000円以内 施行令第129条第4項
車上運動員(ウグイス嬢)・手話通訳者・要約筆記者 20,000円以内 施行令第129条第4項
労務者 基本日額10,000円以内
+超過勤務手当は基本日額の5割以内
施行令第129条第1項第2号
実費弁償(宿泊料) 1夜23,000円 施行令第129条第1項第1号ホ
実費弁償(弁当料) 1食1,500円・1日4,500円 施行令第129条第1項第1号ヘ
実費弁償(茶菓料) 1日1,000円 施行令第129条第1項第1号ト

施行令の額は「政令で定める基準」であり、実際に支給できる額は、この基準に従って当該選挙を管理する選挙管理委員会が定めます(法第197条の2第1項)。つまり基準より低い額を定めている選管もあります。契約前に必ず確認してください。

人数にも上限がある

報酬を払える人数は、1日あたりで選挙の種類ごとに決まっています(施行令第129条第3項)。

選挙の種類 1日あたりの員数
衆議院(小選挙区)・参議院・都道府県知事50人
指定都市の長34人
都道府県議会議員・指定都市の議会議員12人
指定都市以外の市長12人
指定都市以外の市議会議員9人
町村長9人
町村議会議員7人

市議会議員選挙なら1日9人まで。期間を通じて人を入れ替える場合でも、届け出られるのは員数の5倍までです(施行令第129条第8項)。市議会議員選挙なら延べ45人が上限ということになります。

事前の届出がなければ、1円も払えない

第197条の2第5項は、報酬を受け取れる者を「その者を使用する前に……選挙管理委員会に届け出た者に限る」と定めています。届出は文書で行わなければなりません(施行令第129条第9項)。

「働いてもらってから届け出よう」は通用しません。届出前に使用して報酬を払えば、上限額の範囲内であっても買収罪の問題になります。

コンサル契約で特に注意が必要な形
  • 選挙運動期間中の街頭活動や電話かけを、人員ごと業者に請け負わせる。実質は選挙運動への報酬です
  • 「ウグイス嬢の手配」を人材派遣の形で発注する。東京都選挙管理委員会の手引は、人材派遣会社への支出について「労務者等への報酬分と派遣手数料分とを分けて計上」し、報酬分は支出先を労務者等として本人から領収書を取るよう求めています
  • 当選したら追加報酬を払う約束をする。金額の多寡ではなく、約束そのものが問題になります

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外部に任せると連座制のリスクが生まれる

選挙コンサルを使ううえで、見落とされがちな制度があります。連座制です。

公職選挙法第251条の3は、「組織的選挙運動管理者等」という区分を設けています。条文の定義はこうです。候補者等と意思を通じて組織により行われる選挙運動において、当該選挙運動の計画の立案若しくは調整、または選挙運動に従事する者の指揮・監督その他の管理を行う者。

「選挙運動の計画の立案」は、まさに選挙コンサル・選挙プランナーが引き受けている仕事そのものです。

組織的選挙運動管理者等の連座制で何が起きるか

  • その人が買収罪など(法第221条〜第223条の2)を犯して拘禁刑に処せられたとき
  • 候補者であった者の当選が無効になります
  • さらに5年間、同じ選挙区の同じ公職の選挙に立候補できません
  • 候補者本人が違反を知らなくても適用されます

ただし、逃げ道がないわけではありません。同条第2項第3号は、候補者が「組織的選挙運動管理者等が罪に該当する行為を行うことを防止するため相当の注意を怠らなかつたとき」は適用しないと定めています。

この「相当の注意」を形にするのが、契約書の業務範囲の明記と、支払いの記録です。何を頼み、何を頼んでいないかが書面で説明できる状態をつくっておくこと。これは法律に詳しいコンサルほど自分から提案してくるはずの手当てです。

なお、親族や秘書が候補者と意思を通じて選挙運動をした場合も、第251条の2第1項第4号・第5号により連座の対象になります。「身内だから安心」という話ではありません。地盤も看板もない新人がどう陣営を組み立てるかは、無所属・新人が選挙で勝つには?地盤・看板・カバンなしの戦い方で扱っています。

コンサル費用は収支報告書と法定制限額にどう効くか

支払ったコンサル料は、選挙運動費用収支報告書に載ります。そして法定制限額の枠を消費します。

「支出とみなされないもの」には入らない

公職選挙法第197条は、選挙運動に関する支出とみなされないものを列挙しています。候補者が乗用する船車馬等の費用、選挙運動用自動車の費用、選挙期日後の残務整理の費用、国や地方公共団体に払う租税・手数料などです。コンサルティング料はここに含まれていません。

立候補準備の費用についても、第197条第1項第1号が除外しているのは「公職の候補者若しくは出納責任者となつた者のした支出又はその者と意思を通じてした支出以外のもの」です。つまり、候補者本人や出納責任者が払った立候補準備費用は除外されず、報告の対象になります。東京都選挙管理委員会の手引も、立候補準備の支出は出納責任者の就任後ただちに精算すると説明し、その例として選挙事務所借入の内交渉の通信費・交通費、ポスターやはがきの印刷費、事務所看板の作成費を挙げています。

支出 収支報告書 区分の目安
告示前の戦略立案・情勢調査のコンサル料(候補者が支払い) 計上 立候補準備
選挙運動期間中の助言・事務支援の報酬 計上 選挙運動
選挙運動用自動車の車両・燃料・運転手の費用 計上しない 法第197条第2項で除外
供託金 計上しない 東京都選管の手引が明記
候補者が使用した交通費 計上しない 法第197条第1項第3号

区分の判断は最終的に選挙管理委員会の確認が要ります。契約時点で「告示前の政治活動への対価」なのか「選挙運動に関する支出」なのかを、業務内容と期間で切り分けておいてください。

法定制限額を圧迫する

選挙運動に使える金額には上限があります。公職選挙法第194条と施行令第127条が計算式を定めており、「人数割額×(選挙人名簿登録者数÷議員定数)+固定額」で求めます。100円未満の端数は100円に切り上げます(法第194条第2項)。

市議会議員選挙(指定都市以外)の法定制限額

選挙人名簿登録者数 108,100人
÷
議員定数 29人
×
人数割額 501円
+
固定額 2,200,000円
=
法定制限額 4,067,600円

宮崎県延岡市が公表している試算の条件にもとづく計算です。人数割額と固定額は施行令第127条の値。制限額は選挙ごとに選挙管理委員会が告示します(法第196条)。

この枠のなかに、ポスター・ビラの印刷費、事務所の賃料、人件費、通信費、そしてコンサル料が入ります。情勢調査に63万円、伴走プランに90万円を使えば、それだけで150万円超。400万円の枠の4割近くが消えます。

自分の自治体の法定制限額は選挙の費用相場を選挙種別に完全比較のシミュレーターで試算できます。費目ごとの実額感は市議会議員選挙の費用はいくら?をご覧ください。

失敗しない選び方|契約前に確かめる8項目

金額の多寡よりも、何にいくら払うのかが書面で説明できるかどうかが分かれ目です。

  1. 業務範囲が文書で特定されているか。「選挙コンサルティング一式」ではなく、戦略立案・調査・制作・書類作成を分けて記載してもらいます。連座制の「相当の注意」を説明する材料にもなります
  2. 官公署に出す書類の作成を誰が担うか。行政書士が担当するのか、候補者本人が作るのか。資格のない業者が報酬を得て作成すれば行政書士法第19条の問題になります
  3. 選挙運動期間中の人の手配が含まれていないか。含まれる場合、誰を事務員・車上運動員として届け出るのか、報酬は誰が誰に払うのかを確認します
  4. 成功報酬の有無。当選を条件とする追加報酬は避けてください
  5. 支払時期と、収支報告書の区分。告示前か期間中かで区分が変わります。領収書の宛名と但し書きも含めて確認します
  6. 公費負担で代替できる部分を提案してくるか。ポスター・ビラ・選挙カーを公費の枠で組み立てる提案がないなら、制度を使い切れていません
  7. その自治体の条例を調べたうえで話しているか。公費負担の有無と上限額は自治体によって異なります。「全国一律」で話す相手は要注意です
  8. 解約条件と、途中で選挙に出ないと決めた場合の扱い。準備の途中で断念する候補者は珍しくありません

頼む前に削れる費用がある

選挙コンサルを検討する前に、やっておくと予算配分が変わる作業があります。公費負担で賄える部分を先に確定させることです。

公費負担を使わない場合

持ち出しが膨らむ

ポスター・ビラ・選挙カーの費用をすべて自己資金で払い、残った額でコンサルを検討する

法定制限額の枠も、自己資金も、物理的な制作費で先に消えます

→

公費負担を先に使い切る場合

持ち出しを0円に近づける

条例の有無と上限額を確認し、ポスター・ビラ・選挙カーを公費の範囲内で発注する

浮いた分を、調査や戦略といった外注でしか得られない部分に回せます

0円選挙.COMは、ポスターとビラを公費負担の範囲内で制作し、候補者の持ち出しを0円にしています。街宣車(選挙カー)も、車両・燃料・運転手の契約から選挙管理委員会への届出まで手配します。自治体に条例があり、上限額の範囲内で収まる場合の取り扱いです。

資金そのものに不安がある方は選挙資金がない人でも立候補できる?を、いつから何を始めるかは選挙準備はいつから?逆算スケジュールをあわせてお読みください。

よくある質問

選挙コンサルに頼まないと当選できませんか?

そんなことはありません。市議会議員選挙・町議会議員選挙では、コンサルを使わずに当選している候補者が多数います。外注でしか得にくいのは、選挙区の有権者動向の定量データと、他陣営の動きを踏まえた配分の判断です。逆に、演説の中身や支持者との関係づくりは、外注しても代わりになりません。限られた予算なら、何を外に出して何を自分でやるかの切り分けから考えてください。

コンサル費用は公費負担の対象になりませんか?

なりません。公職選挙法が公費の対象として定めているのは、選挙運動用自動車(第141条第8項)、ビラ(第142条第11項)、ポスター(第143条第15項)などの個別の費目です。コンサルティング料にはこれに相当する規定がないため、公費が出る仕組みがありません。全額が候補者の負担になります。

コンサル会社のスタッフに選挙運動を手伝ってもらうことはできますか?

報酬を払って選挙運動そのものを行わせることはできません。公職選挙法第197条の2第2項が報酬を支給できる対象を事務員・車上運動員・手話通訳者・要約筆記者に限定しており、いずれも事前に選挙管理委員会へ届け出た者に限られます(同条第5項)。コンサル会社のスタッフにこれらの役割を担ってもらう場合は、会社への業務委託費ではなく、本人を届け出たうえで本人に報酬を支払う形になります。東京都選挙管理委員会の手引も、人材派遣の場合は報酬分と派遣手数料分を分け、報酬分は本人から領収書を取るよう求めています。

ウグイス嬢にはいくらまで払えますか?

車上運動員としての報酬は、公職選挙法施行令第129条第4項の基準で1人1日20,000円以内です。ただし実際に支給できる額は、この基準に従って選挙管理委員会が定めます(法第197条の2第1項)。市議会議員選挙なら報酬を払える人数は1日9人まで(施行令第129条第3項)、期間を通じて届け出られるのは員数の5倍、つまり延べ45人までです(同条第8項)。使用する前の文書による届出が必須です。

行政書士とコンサル会社、どちらに頼むべきですか?

役割が違います。立候補の届出書類、政治団体の設立届、選挙運動用自動車の届出、収支報告書といった官公署へ提出する書類の作成を報酬を得て行えるのは、行政書士または行政書士法人だけです(行政書士法第19条第1項)。一方、情勢調査や戦略立案に資格は要りません。両方を一社で受ける事業者もありますが、その場合も「どの業務を誰が担当するか」を見積書で確認してください。MOPPsは立候補手続きの行政書士代行を提供しています。手続きの全体像は立候補の手続きガイドにまとめています。

コンサル料は法定制限額に入りますか?

選挙運動に関する支出に当たる限り、入ります。公職選挙法第197条が除外しているのは、候補者の乗用車等の費用、選挙運動用自動車の費用、残務整理の費用、租税・手数料などで、コンサルティング料は含まれていません。立候補準備の費用についても、候補者や出納責任者が支払ったものは除外されません(同条第1項第1号)。制限額は選挙ごとに選挙管理委員会が告示します(第196条)。

コンサルが法律違反をしたら、候補者はどうなりますか?

公職選挙法第251条の3の「組織的選挙運動管理者等」に当たる人が買収罪などで拘禁刑に処せられた場合、候補者であった者の当選は無効となり、5年間その選挙区の同じ公職の選挙に立候補できなくなります。選挙運動の計画を立案・調整する立場の人は、この定義に当たりえます。ただし、候補者が違反行為を防止するため相当の注意を怠らなかったときは適用されません(同条第2項第3号)。業務範囲を契約書で特定し、支払いの記録を残すことが、その「相当の注意」の中身になります。

町村議会議員選挙でもコンサルは必要ですか?

町村議会議員選挙は有権者数が少なく、法定制限額も「人数割額1,120円+固定額900,000円」と市議会議員選挙より小さくなります(施行令第127条)。報酬を払える人数も1日7人までです。情勢調査に数十万円を投じる規模感とは合わないことが多く、費用対効果は慎重に見てください。町村の事情は町議会議員選挙の費用は?で詳しく扱っています。

まとめ

選挙コンサルの費用は、単発相談で1時間1万1,000円から5万円、新人向けの伴走プランで2か月90万円から。情勢調査を入れれば数十万円が上乗せされます。これらはすべて公費負担の対象外で、法定制限額の枠を消費します。そして、選挙運動そのものを有償で外注すると、買収罪と連座制の問題が立ち上がります。

  • 公費負担で賄える費目を先に確定させる——条例の有無と上限額は自治体によって異なります
  • 見積りは業務ごとの内訳で取る——「一式」では収支報告書に区分して書けません
  • 官公署に出す書類は行政書士に——行政書士法第19条第1項の制限があります
  • 報酬を払う相手は、使用する前に文書で届け出る——事務員・車上運動員・手話通訳者・要約筆記者だけが対象です
  • 上限額と員数を守る——市議会議員選挙なら事務員15,000円・車上運動員20,000円、1日9人までが基準です
  • 契約書で業務範囲を特定する——連座制の「相当の注意」を説明する材料になります
  • 支払いの時期と区分を決めてから契約する——告示前か期間中かで収支報告書の書き方が変わります

外注は、自分でできないことに限って使うのが一番効きます。制度で持ち出しを減らせる部分を先に削り、残った予算を本当に必要なところへ回してください。

コンサル費用を使う前に。ポスターとビラは持ち出し0円、街宣車も手配します

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出典

  1. e-Gov法令検索「公職選挙法」第141条・第142条・第143条・第194条・第196条・第197条・第197条の2・第221条・第251条の2・第251条の3 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC1000000100
  2. e-Gov法令検索「公職選挙法施行令」第127条・第129条 https://laws.e-gov.go.jp/law/325CO0000000089
  3. e-Gov法令検索「行政書士法」第1条の3・第19条 https://laws.e-gov.go.jp/law/326AC1000000004
  4. 総務省「なるほど!選挙/選挙公営」 https://www.soumu.go.jp/senkyo/senkyo_s/naruhodo/naruhodo16.html
  5. 東京都選挙管理委員会「収支報告書の手引」(令和6年10月執行 衆議院小選挙区選出議員選挙。立候補準備費用の範囲、支出とみなされないもの、人材派遣の計上方法を参照。報酬額は当時の基準のため本記事では現行の施行令の額を用いています) https://www.senkyo.metro.tokyo.lg.jp/documents/d/senkyo/r6syuinnsen-syushihoukokutebiki
  6. ジャッグジャパン株式会社「料金表」 https://senkyo.jag-japan.com/pricelist.html
  7. 選挙用品ドットコム「調査・コンサルタント|商品一覧・価格」 https://senkyoyohin.com/goods/index.php?cat_id=10
  8. 河童行政書士事務所「選挙関係業務 料金表」 https://kappa-gyosei.jp/選挙関係業務-料金表/
  9. リサーチコム「料金」(自動音声型電話調査サービス) https://researchcom.jp/price/
  10. インターネット選挙戦略研究所「選挙プランニング/選挙コンサルティング」(提供業務の分類を参照) https://senkyolabo.com/

本記事は2026年10月時点の公職選挙法・公職選挙法施行令・行政書士法および各事業者の公表資料にもとづいています。法令は改正される場合があります。報酬の額は施行令の基準に従い当該選挙を管理する選挙管理委員会が定めるため、基準額より低い場合があります。公費負担の内容と上限額は各自治体の条例で定められるため、自治体によって異なります。掲載した料金は各事業者が公表している金額であり、改定される場合があります。特定の事業者を推奨または非推奨とする趣旨ではありません。実際の契約や手続きにあたっては、必ずお住まいの選挙管理委員会にご確認ください。

株式会社MOPPs/0円選挙.COM

選挙運動・政治活動支援/立候補手続きの行政書士代行

京都大学大学院の現役社会人学生を中心とした学生ベンチャーです。政治現場10年以上の実務者、政策立案の経験者、法科大学院出身者、AI研究者が在籍しています。選挙カー・ポスター・ビラを公費負担の範囲内で手配し、候補者の持ち出しを0円に近づける支援を行っています。TEL 050-8885-6420/senkyo@mopps.co.jp

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