【2027年統一地方選】立候補までのカウントダウン準備リスト|最初の締切は投票日の半年前

2027年の統一地方選に出てみたい。けれど、何から手をつければいいのか分からない。そういう状態で立ち止まっている方から、私たちはよくご相談をいただきます。
日程は、ひとつ前に進みました。2026年10月16日、政府は統一地方選の期日を定める臨時特例法案を閣議決定し、同日、国会に提出しました。法案には投票日だけでなく、選挙ごとの告示日が日付で書き込まれています。まだ成立・公布はしていませんが、条文という形で日程が読めるようになりました。
そして法案には、もうひとつ締切が書かれています。投票日の90日前から、寄附と後援会行事に制限がかかります。前半戦なら2027年1月11日、後半戦なら1月25日。多くの人が見落とす日付です。
この記事では、法案と公職選挙法の条文を照らし合わせながら、今日から投票日までに通過しなければならない締切を逆算の順番どおりに並べます。日付を入れれば自分の締切が出る計算ツールも置きました。
結論:2027年統一地方選の日程は未確定でも、準備の締切は確定しています
2026年10月17日時点で、2027年統一地方選の投票日は法律上まだ確定していません。ただし状況は10月に大きく動きました。2026年10月16日、政府は「地方公共団体の議会の議員及び長の選挙期日等の臨時特例に関する法律案」を閣議決定し、同日、第222回国会に提出しました(閣法第16号・衆議院先議)。法案は前半を2027年4月11日、後半を4月25日とし、選挙ごとの告示日まで日付で定めています。
成立すれば、公布の日から施行されます(法案附則)。つまり、公布された瞬間に日程が確定します。国会の議決を待つ段階ですが、条文の中身は総務省が公表しているので、いま読める日程としては報道よりも精度が高くなりました。
そして準備は今日から始められます。立候補までの締切は、投票日が確定していなくても計算できるからです。根拠は3つあります。
- 投票日は臨時特例法で決まる。法案は2026年10月16日に閣議決定・国会提出済み(前半4月11日・後半4月25日)。成立・公布までは確定ではない
- 法案は告示日も日付で定めている。知事3月25日、指定都市の長3月28日、都道府県議・指定都市議4月2日、市・特別区4月18日、町村4月20日
- ポスターの掲示制限(任期満了日の6か月前)と住所要件(3か月)は、投票日の確定を待たずに逆算できる
- 法案6条で、寄附と後援会行事の制限が投票日の90日前から始まる。前半2027年1月11日・後半1月25日
- 法案5条で、前半戦(4月11日)に立候補した人は、区域が重なる後半戦(4月25日)には立候補できない
- 2023年の統一地方選は約980団体が対象だった。2027年も約1,000選挙が見込まれる(総務省の法律案概要)
- 2027年3月1日施行の改正公選法が、この統一地方選から適用される。AI生成画像を使うなら表示義務がかかる
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2027年統一地方選の期日はどう決まるのか|毎回つくられる法律で決まります
「統一地方選は4年ごとに4月」と覚えている方が多いのですが、これは慣行ではなく、選挙のたびに新しい法律をつくって期日を揃えている結果です。ここを理解しておくと、報道の日付をどこまで信じていいかが分かります。
原則は「任期満了の日の前30日以内」
公職選挙法第33条第1項は、地方議会議員の任期満了による一般選挙と、首長の任期満了による選挙を「その任期が終る日の前三十日以内に行う」と定めています。地方議会議員と首長の任期はいずれも4年です(地方自治法93条1項・140条1項)。
この原則だけに従うと、任期満了日が自治体ごとに違うため、投票日はばらばらになります。そこで毎回、期日を一斉に揃えるための臨時特例法が国会でつくられます。前回2023年の選挙では令和4年法律第84号がこの役割を果たし、前半を4月9日、後半を4月23日に揃えました。総務省の法律案概要によれば、この方式は昭和22年以来、4年ごとに特例法の制定によって続けられています。
2026年10月16日、法案が閣議決定され、国会に提出されました
2027年の選挙についても、同じ手順が進んでいます。日付で整理します。
| 日付 | 何が起きたか | 確認できる一次情報 |
|---|---|---|
| 2026年10月8日 | 自民党の総務部会・政治制度改革本部の合同会議が法案を了承 | 自民党の公式発表 |
| 2026年10月16日 | 閣議決定(法律案3本のうちの1本。所管は総務省) | 首相官邸「令和8年10月16日 閣議案件」 |
| 2026年10月16日 | 国会提出(第222回国会・閣法第16号・衆議院先議) | 参議院「議案情報」 |
| 未定 | 衆議院・参議院の議決、成立、公布 | 2026年10月17日時点で審議の経過欄は空欄 |
法案の正式な名称は「地方公共団体の議会の議員及び長の選挙期日等の臨時特例に関する法律案」。総務省が概要・要綱・法律案の本文をいずれも公表しています。附則は「この法律は、公布の日から施行する」の一文です。審議を通れば、公布された日に日程が確定します。
2026年10月17日時点で、法案は国会に提出された段階です。成立も公布もしていません。4月11日・4月25日という日付は法案に書かれた日付であって、まだ法律ではありません。立候補の判断に使う日付は、公布後に選挙管理委員会が行う告示で確認してください。この記事では、法案の条文に書かれている内容を「法案では」と明示して紹介します。
法案が決めているのは、投票日だけではありません
報道では投票日の2つの日付だけが取り上げられますが、法案の本文は8条あります。立候補を考えている人に関係するのは次の5つです。
| 法案の条 | 決めていること | あなたへの影響 |
|---|---|---|
| 第1条 | 選挙の期日(前半4月11日・後半4月25日) | 投票日。公選法33条1項の「任期満了前30日以内」に代えて適用されます |
| 第2条 | 告示の期日を選挙区分ごとに日付で指定 | 立候補届出の日が特定できます。公選法33条5項の「少なくとも◯日前」に代わります |
| 第3条 | 公選法34条の2(90日特例)の適用除外 | 議員と長の任期がどちらも3月1日〜5月31日に満了する自治体は、日程をずらせません |
| 第5条 | 前半戦の候補者が後半戦に立候補することの禁止 | 県議選と市議選の掛け持ち・乗り換えができません |
| 第6条 | 寄附等の禁止期間を選挙期日前90日からに | 2027年1月11日(前半)・1月25日(後半)から、寄附と後援会行事が止まります |
第4条は同時選挙の扱い(公選法119条1項・2項)、第7条は第6条の適用除外、第8条は政令への委任です。本記事では、第2条・第5条・第6条をそれぞれの章で詳しく扱います。
「統一」されるのは全体の3割弱です
もうひとつ押さえておきたいのは、統一地方選で全国すべての自治体が選挙をするわけではないという点です。総務省「令和5年統一地方選挙執行予定団体に関する調(令和5年2月1日現在)」によると、調査対象1,788団体のうち、特例法によって改選を行う予定だったのは首長234・議会746の合計980。統一率は27.40%でした。
区分ごとに見ると、議会の統一率には大きな差があります。
都道府県議会は87.23%、特別区議会は91.30%が統一地方選で改選されます。一方、指定都市以外の市議会は40.28%、町村議会は38.08%。市と町村では、6割前後の自治体が統一地方選とは別の時期に選挙を迎えます。
つまり、市議会議員選挙や町村議会議員選挙を目指す方は、まず自分の自治体が2027年4月の対象なのかを確認するところから始めてください。選挙管理委員会に電話一本で分かります。対象外だった場合、あなたの選挙はもっと早いか、もっと遅いかのどちらかです。費用の全体像は選挙種別の費用相場に、市議選・町村議選それぞれの内訳は市議会議員選挙の費用と町議会議員選挙の費用にまとめています。
法案が定める対象は「3月1日から5月31日までに任期満了」
対象の線引きも、法案の条文に書かれています。整理すると3つの区分になります。
- 原則:令和9年3月1日から5月31日までに任期が満了する議会の議員または長の選挙(法案1条1項)。この期間に任期満了日が入っていれば、投票日は4月11日か4月25日に揃えられます。ただし、その選挙を2027年2月28日以前に行う場合と、公選法34条の2(90日特例)によって行う場合は対象外です。
- 任意:令和9年6月1日から6月10日までに任期が満了する「長」の選挙(法案1条2項)。こちらは自治体の判断で統一日程に乗せられます。乗せる場合、選挙管理委員会は告示をしなければなりません。期限は指定都市が2027年1月10日まで、指定都市以外の市・特別区・町村が1月24日までです。6月上旬に任期満了を迎える市長・町村長の選挙を考えている方は、この告示が出るかどうかで選挙日が1か月半前後ずれます。年明けに選挙管理委員会へ確認してください。
- 便乗:統一地方選の直前に欠員などが生じた場合(法案1条3項・4項)。任期満了以外の事由で選挙を行うことになり、その期間が2027年4月1日以後にかかるときは、一定の条件のもとで統一日程に吸収されます。再選挙・補欠選挙を含む運用なので、該当しそうな方は選挙管理委員会に直接お尋ねください。
規模の見込みも公表されています。総務省の法律案概要は、2027年の統一地方選でおよそ1,000の選挙が実施される見込みと記しています。2023年の980団体と同水準です。
公職選挙法34条の2は、議会の議員と長の任期満了日が90日以内に近接している場合、両方の選挙を同時に行うために期日をずらせる規定です(90日特例)。法案3条は、議員の任期と長の任期がいずれも令和9年3月1日から5月31日までの間に満了する場合には、この34条の2を適用しないと定めています。該当する自治体では、議員選と首長選がどちらも統一日程に乗ります。日程が動く可能性を考えなくてよい、ということでもあります。
準備スケジュール逆算ツール(2027年統一地方選版)
投票日と任期満了日を入れると、告示日・寄附等の禁止期間の開始日・住民票の異動期限・ポスター掲示制限の開始日を計算します。初期値は指定都市以外の市の議会議員選挙・投票日2027年4月25日(法案の後半戦)に合わせています。都道府県議会議員選挙など前半戦の選挙は、選挙の種類を選び直して投票日を4月11日に、統一地方選の対象外の自治体は見込みの日付に変えてお使いください。
2027年統一地方選 準備スケジュール逆算ツール
投票日から、通過しなければならない締切を逆算します
出てくる日付はあくまで概算です。告示日は「少なくとも◯日前」という下限の定めなので、実務上はこの日になることがほとんどですが、法律上はそれより早い告示もあり得ます。住所要件の数え方には微妙なケースがあるため、最終的な判断は必ず選挙管理委員会に具体的な日付を伝えて確認してください。
最初の締切は「任期満了日の6か月前」|政治活動用ポスターが貼れなくなります
ここが、多くの立候補予定者が見落とす締切です。任期満了日の6か月前の日から選挙期日までの間、選挙区内に自分の名前が入った政治活動用ポスターを掲示できなくなります。
根拠は公職選挙法143条16項と19項
公職選挙法第143条第16項は、候補者本人・候補者になろうとする者・現職者(条文では「公職の候補者等」)の氏名、または氏名が類推されるような事項を表示した政治活動用の文書図画の掲示を、原則として禁止行為とみなしています。その例外として同項第2号がポスターを挙げていますが、「第十九項各号の区分による当該選挙ごとの一定期間内に当該選挙区内に掲示されるもの」は例外から外されています。
そして第19項第3号が、地方公共団体の議会議員・首長の任期満了による選挙における「一定期間」を、こう定めています。
その任期満了の日の六月前の日から当該選挙の期日までの間
後援団体の名称を表示したポスターも同じ扱いです。つまり、任期満了日の6か月前を過ぎたら、顔写真と名前の入った後援会ポスターは選挙区内から撤去しなければなりません。
2027年なら、2026年10月下旬から始まります
岡山市選挙管理委員会は、岡山県議会議員の任期満了日を令和9年(2027年)4月29日、岡山市議会議員の任期満了日を同年4月30日として、掲示できない期間の開始日を次のように公表しています。
| 選挙 | 任期満了日 | 個人の政治活動用ポスターを掲示できない期間 |
|---|---|---|
| 岡山県議会議員選挙の候補者等 | 2027年4月29日 | 2026年10月29日から選挙期日まで |
| 岡山市議会議員選挙の候補者等 | 2027年4月30日 | 2026年10月30日から選挙期日まで |
この記事を更新している2026年10月17日から数えて、残り2週間ほどです。任期満了日は自治体ごとに異なりますので、岡山の数字をそのまま当てはめることはできません。ただ、2023年4月に選ばれた議員の任期が4年である以上、多くの自治体で2026年10月下旬から11月上旬に制限が始まると考えておくのが現実的です。もしすでに制限期間に入っているなら、ポスターの撤去を今日の作業にしてください。
では、6か月前を過ぎたら何もできないのか
いいえ。掲示できるものは残ります。整理しておきます。
| 掲示物 | 6か月前以降 | 条件 |
|---|---|---|
| 個人・後援団体の政治活動用ポスター | 掲示できない | 選挙区内が対象。区域外なら制限の対象外です |
| 政治活動用の立札・看板の類 | 掲示できる | 選挙管理委員会の証票が必要。総数と設置場所に上限あり |
| 事務所・連絡所を表示するポスター | 掲示できる | 事務所・連絡所の表示や後援団体の構成員であることの表示に限られます |
| 演説会・講演会の会場で開催中に使うもの | 掲示できる | 開催中の会場内に限られます |
| 政党その他の政治活動を行う団体のポスター | 別の規制 | 後援団体を除く。氏名が載った人が立候補した場合は告示日のうちに撤去(法201条の14) |
実務上の主役になるのが政治活動用の立札・看板の類です。公職選挙法143条16項1号と17項、公職選挙法施行令110条の5が、サイズと枚数を定めています。
政治活動用の立札・看板の類の上限(公選法143条17項・施行令110条の5第1項)
総数は、候補者等本人の分と、同一の候補者等に係る後援団体すべてを通じた分を、それぞれ別に数えます。事務所ごとにその場所において通じて2枚までという制限もあります(法143条16項1号)。証票の交付は文書で申請します(施行令110条の5第4項・5項)。
つまり、ポスターが貼れなくなる時期に備えて証票付きの立札・看板へ切り替えるのが定石です。証票の申請には時間がかかりますから、6か月前が来る前に動いてください。
次の締切は「3か月の住所要件」|投票日の3か月前ではありません
市町村議会議員の被選挙権は、その市町村の議会議員の選挙権を有する者で、年齢満25歳以上のものです(公職選挙法10条1項5号)。そして選挙権の側に住所要件があります。同法9条2項は、地方公共団体の議会議員・長の選挙権を「引き続き三箇月以上市町村の区域内に住所を有する者」に限っています。
引っ越して立候補を目指す方にとって、ここが実質的な締切になります。問題は「3か月」をどこから数えるかです。
起算点は投票日ではなく「選挙時登録の基準日」
選挙で投票できるのは選挙人名簿に登録された人です。公職選挙法21条1項は、登録の要件を住民票が作成された日から引き続き3か月以上その市町村の住民基本台帳に記録されていることと定めています。そして同法22条3項が、選挙のときに行う「選挙時登録」の基準日を、選挙を管理する選挙管理委員会が定めると規定しています。
この基準日は、実務上告示日の前日になるのが通例です。船橋市選挙管理委員会は「選挙のつど設定される基準日(公示(告示)日の前日)に登録要件を満たしている方を登録します」と説明しています。丹波市選挙管理委員会は、2016年7月12日投票の市長選挙(告示7月5日)を例にこう説明しています。
基準日(7月5日の1日前、7月4日)の3か月前、つまり4月4日までに丹波市に転入届を提出した人が該当となります。投票日の3か月前ではなく、基準日の3か月前です。
投票日から3か月を引くと、実際の締切より遅い日付が出てしまいます。正しい計算はこうです。
住民票を移す期限の逆算
法案の投票日(後半戦4月25日)と告示日(4月18日)で計算した概算です。投票日から単純に3か月を引くと1月25日になり、8日間ずれます。基準日は選挙管理委員会が定めるため、実際の日付は必ず確認してください。
法案2条が告示日を日付で指定しているため、選挙の種類ごとの目安はここまで絞れます。
| 選挙の種類 | 告示日(法案2条) | 基準日の目安 | 住民票を移す期限の目安 |
|---|---|---|---|
| 都道府県知事 | 2027年3月25日 | 3月24日 | 2026年12月24日 |
| 指定都市の長 | 2027年3月28日 | 3月27日 | 2026年12月27日 |
| 都道府県議会議員・指定都市議会議員 | 2027年4月2日 | 4月1日 | 2027年1月1日 |
| 指定都市以外の市・特別区の議会議員・長 | 2027年4月18日 | 4月17日 | 2027年1月17日 |
| 町村の議会議員・町村長 | 2027年4月20日 | 4月19日 | 2027年1月19日 |
知事選・指定都市の長の選挙を目指す方は、2026年内に住民票を移し終えている必要があります。年末年始をはさむので、役所の開庁日も計算に入れてください。都道府県議会議員選挙なら期限は2027年1月1日。元日が期限ですから、実務上は2026年12月中に済ませると考えるのが安全です。
住所要件は生活の実態で判断されます。住民票を移しただけで実際には住んでいない場合、被選挙権が認められないことがあります。引っ越しを伴う立候補を検討されている方は、早い段階で選挙管理委員会に相談してください。年齢要件は選挙の期日で算定されます(公選法10条2項)。
年齢と住所のほか、立候補できない事由(公務員の兼職禁止など)もあります。資格の全体像は市議会議員になるにはで詳しく整理しています。
2027年1月から、寄附と後援会行事に90日の制限がかかります
ここが今回の法案で最も見落とされやすい締切です。投票日の90日前から、寄附と後援会の行事に制限がかかります。法案6条が、公職選挙法の「一定期間」の起算点を書き換えるからです。
原則は「任期満了日の90日前」、法案は「投票日の90日前」
公職選挙法199条の5第4項3号は、地方公共団体の議会議員・長の任期満了による選挙について、「一定期間」をその任期満了の日前90日に当たる日から選挙の期日までの間と定めています。起算点は任期満了日です。
法案6条は、統一地方選として行われる選挙について、この起算点を選挙の期日前90日に当たる日に置き換えます。条文はこうです。
第一条第一項又は第二項の規定によるそれぞれの選挙の期日前九十日に当たる日から当該選挙の期日までの間とする
対象になるのは公職選挙法199条の2(公職の候補者等の寄附の禁止)第1項ただし書の期間と、199条の5(後援団体に関する寄附等の禁止)第1項ただし書・第2項・第3項の「一定期間」です。日付に落とすと、こうなります。
寄附等の禁止期間(法案6条)
それぞれ投票日の90日前に当たる日から投票日までです。法案7条は、令和9年3月1日から3月30日までに任期が満了する市区町村の議員・長の選挙など、一定のものをこの特例から除いています。除かれた選挙では、公選法199条の5第4項3号どおり任期満了日の90日前が起算点になります。
この期間、何ができなくなるのか
公選法199条の2第1項は、候補者や立候補しようとする人が選挙区内の人へ寄附をすることを、名義を問わず禁じています。これは期間に関係なく通年の禁止です。ただし書で例外になっているのが、政党・政治団体やその支部、本人の親族への寄附と、本人が政治上の主義・施策を普及するために行う講習会などの政治教育のための集会に関する必要やむを得ない実費の補償です。この例外のうち、政治教育のための集会は「一定期間」内に行われるものが除かれています。つまり期間に入ると、例外も使えなくなります。
199条の5は後援団体の側の規制です。整理します。
| 条項 | 一定期間内の扱い | 内容 |
|---|---|---|
| 199条の5第1項ただし書 | できない | 後援団体が設立目的による行事・事業に関してする寄附。期間外なら例外として認められますが、期間内は認められません |
| 199条の5第2項 | できない | 後援団体の総会・集会(結成のための集会を含む)や、見学・旅行その他の行事で、選挙区内の人に饗応接待をしたり、金銭・記念品その他の物品を供与すること(通常用いられる程度の食事の提供は除かれます) |
| 199条の5第3項 | できない | 候補者や立候補しようとする人が、自分に係る後援団体へ寄附をすること(政治資金規正法19条2項の届出がされた政治団体は除かれます) |
| 199条の2第2項〜第4項 | 通年で禁止 | 候補者等を名義人とする選挙区内への寄附、寄附の勧誘・要求。期間に関係なく禁止されています |
後援団体の集会や行事で記念品を配る、旅行の費用を団体が負担する、といった運用は、期間に入ると公職選挙法199条の5第2項に触れます。前半戦の自治体なら2027年1月11日、後半戦なら1月25日が境目です。新年会・旅行・総会の日程を年内から1月上旬に寄せるか、記念品や接待を伴わない形に組み替えるか、年内に決めてください。自分に係る後援団体へ自分が寄附することも、期間内はできません(同条3項)。判断に迷う企画は、実施前に選挙管理委員会へ具体的に相談するのが安全です。
なお、ここで扱っているのは寄附と接待の規制です。選挙運動そのものの期間(告示日から投票日の前日まで)とは別の話で、90日前から選挙運動ができるようになるわけではありません。禁止される行為の一覧と罰条は無所属・新人が選挙で勝つにはの章にまとめています。
告示日は、法案に日付で書かれています|選挙別の一覧
告示日は立候補の届出を受け付ける日です。この日から選挙運動が始まり、投票日の前日で終わります。何日前に告示するかは、公職選挙法33条5項が選挙の種類ごとに定めています。
2027年の統一地方選については、この日数から逆算する必要がありません。法案2条が、選挙の区分ごとに告示日を日付で書いています。条文は「公職選挙法第三十三条第五項又は第三十四条第六項の規定にかかわらず、次の各号に掲げる選挙の区分に応じ、当該各号に定める日に告示しなければならない」という形です。「少なくとも◯日前」という下限ではなく、その日に告示しなければならないという指定に変わります。
| 選挙の種類 | 告示日(法案2条) | 投票日(法案1条) | 選挙運動期間 |
|---|---|---|---|
| 都道府県知事 | 2027年3月25日(木) | 2027年4月11日 | 17日間 |
| 指定都市の長 | 2027年3月28日(日) | 2027年4月11日 | 14日間 |
| 都道府県議会議員・指定都市議会議員 | 2027年4月2日(金) | 2027年4月11日 | 9日間 |
| 指定都市以外の市・特別区の議会議員・長 | 2027年4月18日(日) | 2027年4月25日 | 7日間 |
| 町村の議会議員・町村長 | 2027年4月20日(火) | 2027年4月25日 | 5日間 |
いずれも公職選挙法33条5項の日数と一致します。私たちが法案の公表前に33条5項から逆算していた日付と、法案の条文は同じでした。
ただしこれは法案に書かれた日付であって、まだ法律ではありません。確定日程は公布後、選挙管理委員会の告示でご確認ください。前回2023年の選挙では、令和4年法律第84号が選挙前年の2022年11月18日に公布されています。
指定都市の長の選挙は3月28日、指定都市以外の市・特別区の議会議員と長の選挙は4月18日。どちらも日曜日です。立候補の届出は告示日に行いますから、日曜に受付のための体制を組むことになります。届出に行く人、事務所で待つ人、必要書類の控え。役割を決めておいてください。なお受付時間は自治体ごとの運用ではありません。公職選挙法270条1項が、選挙管理委員会に対して行う届出等を午前8時30分から午後5時までの間に行わなければならないと一律に定めています。
注目していただきたいのは選挙運動期間の短さです。市議選は7日間、町村議選は5日間。この期間しか「投票してください」と言えません。告示前にできるのは政治活動であって選挙運動ではなく、投票を呼びかければ事前運動として禁止されます。だからこそ、知名度づくりの勝負は告示前の数か月で決まります。地盤も看板もない状態から何をするかは、地盤・看板・カバンなしの戦い方で具体的に書きました。選挙運動用のビラは告示日から使える主力の道具です。法定枚数と証紙の扱いは選挙ビラの印刷と配布の完全ガイドにまとめています。
前半戦に立候補した人は、後半戦には出られません
前半と後半が2週間しか離れていないため、法案は両方に出ることを禁じています。法案5条1項です。
対象になるのは、2027年4月11日の選挙(前半戦)の候補者と、それに便乗して同時に行われる地方議会議員の再選挙・補欠選挙の候補者です。この人は、選挙区の全部または一部を含む区域を区域とする選挙区において、次の選挙の候補者になれません。
- 2027年4月25日の選挙(後半戦)
- 後半戦と同時に行われる地方議会議員の再選挙・補欠選挙
- 同じ日に行われる衆議院議員・参議院議員の再選挙・補欠選挙
実務的な意味を言い換えます。県議選に出て、落ちたから2週間後の市議選に回る、ということはできません。区域が重なっていれば、同じ有権者を相手にした二度目の挑戦が封じられます。県議選と市議選のどちらで勝負するかは、2027年3月の告示を迎える前に、取り返しのつく段階で決めておく必要があります。
前半戦に出てから考える
二度目の機会がない
4月11日の選挙の候補者になった時点で、区域の重なる4月25日の選挙には立候補できません(法案5条1項)
年内に出る選挙を決める
準備を一本に寄せられる
定数・前回の最下位当選者の得票・供託金・公費負担の条例を比べて選べます。寄附制限が始まる1月より前に判断するのが現実的です
法案5条2項は、この規定で候補者になれない人を、公職選挙法87条1項により候補者になることができない者とみなすと定めています。届出が受理されない扱いになります。
どちらの選挙を目指すかの判断材料は、選挙種別ごとの費用相場と、必要な票数です。費用は選挙の費用相場を選挙種別に完全比較に、供託金の没収ラインは供託金の返還条件・没収ラインにまとめています。
12か月前から投票日までのカウントダウン|2027年4月を起点に
ここまでの締切を、時系列に並べ直します。投票日を2027年4月25日(法案の後半戦・指定都市以外の市の議会議員選挙)と仮定した場合の目安です。
- 2026年4月ごろ/12か月前:選挙管理委員会に行く自分の自治体が2027年の統一地方選の対象かどうか、議員定数、ポスター掲示場の数、公費負担の条例の有無と限度額、そして現職議員の任期満了日。この5つを聞いてください。すべて無料で教えてもらえます。この日に聞いた任期満了日が、以降のすべての逆算の起点になります。
- 2026年10月下旬〜11月上旬/6か月前:ポスターから立札・看板へ切り替える任期満了日の6か月前の日から、個人・後援団体の政治活動用ポスターは選挙区内に掲示できません(公選法143条16項2号・19項3号)。証票付きの立札・看板への切り替えを、この日より前に終えてください。証票は選挙管理委員会への文書申請です。
- 2026年12月/年内:どの選挙に出るかを決める法案5条1項により、前半戦(4月11日)の候補者は区域の重なる後半戦(4月25日)に立候補できません。県議選か市議選かで迷っている方は、ここで決めてください。あわせて、後援会の新年会・旅行・総会の日程と内容を、次の項目の日付に合わせて組み直します。
- 2027年1月11日/前半戦・1月25日/後半戦:寄附と後援会行事の制限が始まる投票日の90日前に当たる日からです(法案6条)。後援団体の行事での記念品の配布や接待(公選法199条の5第2項)、後援団体が設立目的の行事・事業に関してする寄附(同条1項ただし書)、候補者等から自分の後援団体への寄附(同条3項)が、この日からできなくなります。6月上旬に任期満了を迎える市町村長の選挙を統一日程に乗せるかどうかの告示期限も、指定都市が1月10日、指定都市以外の市・特別区・町村が1月24日です(法案1条2項)。
- 2027年1月中旬/3か月前:住民票の異動を完了させる引っ越しを伴う場合の最終期限です。基準日(通常は告示日の前日)から3か月前。市議選・投票日4月25日なら2027年1月17日が目安になります。都道府県議会議員選挙なら2027年1月1日、知事選なら2026年12月24日が目安で、こちらは年内に終わっていなければなりません。
- 2027年2月〜3月/1〜2か月前:立候補予定者説明会に出る選挙管理委員会が開きます。立候補届出に必要な書類一式はここで配られます。出雲市の例では投票日の約1か月半前、鳥羽市の例では約2か月前に開催されました。欠席すると様式が手に入りません。代理人の出席を認める自治体もあります。
- 説明会の直後:戸籍謄本を取り寄せる立候補届出に添える宣誓書・供託証明書などと一緒に求められる書類です。本籍地が遠方だと郵送請求に往復2週間近くかかります。説明会に出たその足で動いてください。なお「発行から3か月以内のもの」という案内を出している自治体がありますが、これは公職選挙法施行令89条2項に定めがあるわけではなく、各選挙管理委員会の手引による運用です。自分の自治体の手引で期限の有無を確認してください。
- 2027年3月/告示の2〜4週間前:立候補届出書類の事前審査選挙管理委員会が書類の不備を事前に見てくれます。小城市の手引では、書類の不足や誤記があると届出が受理されない、または後で無効になるおそれがあると注意喚起されています。必ず受けてください。
- 2027年3月〜4月/告示の1か月前:業者との契約と供託ポスター・ビラ・選挙カーの業者を決め、公費負担の限度額に収まる見積もりを取ります。供託金は法務局(供託所)で手続きします。公費負担を受けるための契約書の届出は、自治体の条例が定める期限までに提出します。
- 2027年4月18日(日)/告示日:立候補の届出法案2条4号が指定する日です。受付は午前8時30分から午後5時まで(公選法270条1項)。この日から選挙運動が始まります。届出が受理されると、ビラに貼る証紙や選挙運動用自動車の表示板が交付されます。
- 2027年4月25日/投票日選挙運動ができるのは前日までです。インターネットで前日までに頒布した文書図画は、当日もそのまま表示させておくことができます(公選法142条の3第2項)。
手続きの中身と必要書類の一覧は立候補の手続き・必要書類・期限に、月単位のより細かい逆算は選挙準備の逆算スケジュールにあります。
お金の締切|供託金はいつまでに、いくら用意するか
法律上避けられない出費は供託金だけです。公職選挙法92条1項が選挙の種類ごとに額を定めています。
| 選挙の種類 | 供託金 | 公選法92条1項 |
|---|---|---|
| 都道府県知事 | 300万円 | 4号 |
| 都道府県議会議員 | 60万円 | 3号 |
| 指定都市の長 | 240万円 | 6号 |
| 指定都市の議会議員 | 50万円 | 5号 |
| 市長(指定都市以外) | 100万円 | 8号 |
| 市議会議員(指定都市以外) | 30万円 | 7号 |
| 町村長 | 50万円 | 10号 |
| 町村議会議員 | 15万円 | 9号 |
供託金は一定の得票があれば返ってきます。返還の条件と没収ラインの計算は供託金の返還条件・没収ラインで選挙別にまとめています。
それ以外の費用は、条例の範囲内で公費に乗せられます
ポスター・ビラ・選挙カーは、自治体が条例を定めていれば公費負担の対象になります。根拠は公職選挙法141条8項(自動車)、142条11項(ビラ)、143条15項(ポスター)。いずれも「条例で定めるところにより……無料とすることができる」という書き方で、条例がなければ公費は出ません。
条例を確認しないまま進めた場合
持ち出しが読めない
公費が出ると思っていた費用が自己負担になる。限度額を超えた分も自己負担
条例と限度額を先に押さえた場合
持ち出しを0円に近づけられる
限度額に収まる見積もりを取り、期限内に契約書を届け出る。超過分が出ない設計にできます
公費負担の限度額は各自治体の条例で定められ、自治体によって異なります。実際の金額は選挙管理委員会にご確認ください。
公費負担の単価の「枠」は公職選挙法施行令が定めますが、実際にあなたの選挙に適用されるのは自治体の条例に書かれた額です。国の政令が改定されても、条例の改正はそれぞれの議会の議決を経るため、時期に差が出ます。2025年6月の単価改定を受けた条例改正が2025年9月の市と同年12月の市に分かれている例もあります。選挙管理委員会に「現在の条例の限度額」を聞き、見積もりはその額で組んでください。
私たちがお手伝いするのはここです。ポスターとビラは公費負担の範囲内で手配するため、持ち出しを0円に近づけられます。街宣車の手配も承ります。制度の全体像は選挙公営制度の解説、ポスター・選挙カー・ビラの限度額の計算はポスターの公費負担、選挙カーの公費負担、選挙ビラの印刷と配布にそれぞれ計算ツールを置いています。
なお、公費負担を受けるには一定の得票が必要です。供託金が没収されるほど得票が少なかった場合、公費負担も受けられません。貯金がない状態からどう組むかは選挙資金がない人でも立候補できるかに、事務所費用の抑え方は選挙事務所の費用相場にまとめました。
2027年の統一地方選に向けて、まず何から動くべきか
0円選挙.COMは、政治現場10年以上の実務者と京都大学大学院の現役院生チームで運営しています。あなたの自治体の任期満了日・条例・限度額を調べ、逆算スケジュールと見積もりをお渡しします。相談は無料です。
2027年の選挙から、ネット選挙のルールが変わります
準備リストにもう1項目加えてください。2027年3月1日施行の改正公職選挙法が、この統一地方選から適用されます。
e-Gov法令検索の改正履歴によると、「公職選挙法及び特定電気通信による情報の流通によって発生する権利侵害等への対処に関する法律の一部を改正する法律」(令和8年法律第58号)は2026年7月17日公布・2027年3月1日施行です。法案2条が定める告示日は最も早い知事選でも3月25日。すべての区分が施行日より後に告示されますから、改正後のルールで選挙を戦うことになります。2026年10月17日時点で、公職選挙法に未施行の改正はこの令和8年法律第58号だけです(e-Gov法令APIの改正履歴で確認)。
変わること1:AIで作った画像を使うなら、その旨の表示が必要
改正後の公職選挙法142条の5が新設されます。選挙運動用の文書図画や落選運動用の文書図画をインターネットで頒布するとき、AI関連技術を使って作成・改変した画像や映像を載せるなら、AIで作成・改変したものである旨が受信者の画面に正しく表示されるようにしなければならないという義務です。
対象から外れるのは、改変の内容が社会通念に照らして軽微なもの、または実際に撮影されたものと誤認されるおそれのないものです。色味を整えた程度の加工や、誰が見ても作り物と分かるイラストは、条文上この除外に当たります。
選挙運動用のバナーやSNS画像にAIで生成した人物写真・風景を使うなら、画像内かキャプションに「この画像はAIで作成しています」と表示する運用にしてください。具体的な線引きは総務大臣が示す指針で詰められます。施行日前に指針が公表される仕組みになっていますので、2027年に入ったら総務省の公表資料を確認してください。
変わること2:メールでの選挙運動の制限が外れます
現行法では、選挙運動用電子メールを送れるのは候補者と一定の政党等に限られ、送信先は事前に同意した人などに限定され、送信記録の保存義務まで課されています(現行142条の4)。改正後、この条文はなくなります。メールは「インターネット等を利用する方法」の一部として142条の3で扱われ、ウェブサイトやSNSと同じ枠組みになります。
ただし142条の3第3項の義務は残ります。インターネットで選挙運動用の文書図画を頒布する者は、自分の電子メールアドレス等が受信者の画面に正しく表示されるようにしなければなりません。連絡先の表示は引き続き必須です。
変わること3:有料のネット広告は、引き続き出せません
これは改正後も変わりません。公職選挙法142条の6は、選挙運動のために候補者の氏名や政党名を表示した広告を、有料でインターネット上の文書図画に掲載させることを禁じています。選挙運動期間中は、氏名が入っていない広告であっても、クリックすると選挙運動用の文書図画が表示される機能を持つものは出せません。検索連動広告やSNS広告で票を買うことはできないと理解してください。
そのほか、改正後の142条の7として「選挙に関しインターネット等を利用する者の責務」が新設され、候補者に関する虚偽の事項を公にしたり事実をゆがめて公にしたりして選挙の公正を害さないようにしなければならない、と定められます。ネット選挙運動の全体像と、妨害を受けたときに引ける条文は無所属・新人の戦い方でまとめています。
2027年統一地方選 準備チェックリスト
印刷して手元に置いていただけるように、確認事項をまとめました。
- 自分の自治体が2027年の統一地方選の対象か、選挙管理委員会で確認した
- 現職議員・首長の任期満了日を聞き、その6か月前の日を手帳に書いた
- 前半戦(4月11日)と後半戦(4月25日)のどちらに出るかを決めた(両方には出られません)
- 寄附等の禁止期間の開始日(前半2027年1月11日・後半1月25日)を手帳に書いた
- 後援会の新年会・旅行・総会の日程と内容を、その開始日に合わせて組み直した
- 任期満了が2027年6月1日〜10日の長の選挙の場合、統一日程に乗るかどうかの告示を確認する予定がある
- 個人・後援団体の政治活動用ポスターの撤去計画を立てた
- 政治活動用の立札・看板の証票を、選挙管理委員会に申請した
- 引っ越しを伴う場合、住民票の異動を基準日の3か月前までに終える計画がある
- 議員定数と、前回の最下位当選者の得票数を調べた
- 公費負担の条例があるか、ポスター・ビラ・選挙カーの限度額を確認した
- 供託金の額を確認し、資金の手当てがついている
- 立候補予定者説明会の開催時期を選挙管理委員会に確認した
- 戸籍謄本の取り寄せにかかる日数を把握している
- 立候補届出書類の事前審査を受ける日を決めた
- 公務員の場合、辞職の手続きと時期の見通しが立っている
- AI生成画像を使う場合の表示方法を決めた
- 有料のネット広告を使わない方針を、支援者にも共有した
よくある質問
2027年統一地方選の投票日は、いつ確定するのですか
期日を定める臨時特例法が成立・公布された時点で確定します。法案は2026年10月16日に閣議決定され、同日、第222回国会に提出されました(閣法第16号・衆議院先議)。附則が「この法律は、公布の日から施行する」と定めているため、公布された日に確定します。2026年10月17日時点で、衆参いずれの議決もまだ行われていません。前回2023年の選挙では、令和4年法律第84号が選挙前年の2022年11月18日に公布されました。確定後は総務省と各選挙管理委員会が公表します。
閣議決定されたのなら、もう日程は決まったのではないですか
閣議決定は、内閣が「この内容で法案を国会に出す」と決めたことを意味します。日程が法律として決まるのは、国会で可決・成立し、公布されたときです。2026年10月17日時点で法案は提出されたばかりで、委員会への付託も議決も行われていません。ただし、閣議決定された法案は政府が責任を持って提出したものであり、総務省が条文の全文を公表しています。いま読める日程としては、報道より精度が高いと考えて差し支えありません。立候補届出のような法的な手続きの日付としては、公布後の告示をお使いください。
自分の市が統一地方選の対象かどうか、どう調べますか
選挙管理委員会に問い合わせるのが最も確実です。法案1条1項が対象としているのは、令和9年3月1日から5月31日までの間に任期が満了する議会の議員または長の選挙です。6月1日から6月10日までに任期が満了する「長」の選挙は、自治体の判断で統一日程に乗せられます(同条2項。選挙管理委員会の告示期限は指定都市が2027年1月10日、指定都市以外の市・特別区・町村が1月24日)。2023年の統一地方選では、調査対象1,788団体のうち980団体が対象でした(統一率27.40%)。指定都市以外の市議会で40.28%、町村議会で38.08%ですから、市町村では対象外のほうが多数です。2027年は約1,000の選挙が見込まれています(総務省の法律案概要)。
県議選に出て落選したら、2週間後の市議選に出られますか
出られません。法案5条1項は、2027年4月11日の選挙(前半戦)で公職の候補者となった人は、その選挙区の全部または一部を含む区域を区域とする選挙区において、同月25日の選挙(後半戦)や、同日に行われる衆議院議員・参議院議員の再選挙・補欠選挙の候補者になることができないと定めています。前半戦に便乗して行われる地方議会議員の再選挙・補欠選挙の候補者も同じ扱いです。同条2項により、この人は公職選挙法87条1項で候補者になることができない者とみなされ、届出が受理されません。どちらの選挙に出るかは、前半戦の告示日より前に決めておく必要があります。
後援会の新年会は、2027年1月に開いても大丈夫ですか
日付と中身によります。法案6条により、寄附等の禁止期間は前半戦が2027年1月11日から、後半戦が1月25日から始まります。この期間に入ると、後援団体の総会その他の集会や、後援団体が行う見学・旅行その他の行事で、選挙区内の人に饗応接待をしたり、金銭・記念品その他の物品を供与することができません(公職選挙法199条の5第2項。通常用いられる程度の食事の提供は除かれます)。後援団体が設立目的による行事・事業に関してする寄附(同条1項ただし書)も、期間内はできません。開催日を期間の前に置くか、接待・記念品を伴わない形にするかの選択になります。法案7条の適用除外に当たる選挙では起算点が任期満了日の90日前になるため、自分の選挙がどちらかは選挙管理委員会にご確認ください。
後援会ポスターは、いつまで貼っておけますか
任期満了日の6か月前の日の前日までです。6か月前の日から選挙期日までは、選挙区内に掲示できません(公職選挙法143条16項2号・19項3号)。岡山県議会議員の場合、任期満了日が2027年4月29日のため2026年10月29日から掲示できないと岡山市選挙管理委員会が公表しています。任期満了日は自治体ごとに異なるため、必ず地元で確認してください。選挙区の区域外であれば、この制限の対象にはなりません。
ポスターの代わりに使える掲示物はありますか
政治活動用の立札・看板の類が使えます。縦150cm×横40cm以内で、選挙管理委員会が交付する証票を貼る必要があります(公選法143条17項、施行令110条の5第4項)。総数は、都道府県議会議員・市議会議員・指定都市以外の市長の選挙に係るものなら6、指定都市の長なら10、町村議会議員・町村長なら4です。本人分と後援団体すべての分を、それぞれ別に数えます。事務所ごとにその場所において通じて2枚までという制限もあります。
住民票はいつまでに移せばよいですか
選挙人名簿の選挙時登録の基準日から3か月前までです。基準日は選挙管理委員会が定め、実務上は告示日の前日になるのが通例です。法案2条が告示日を日付で指定しているため、目安はかなり絞れます。指定都市以外の市・特別区なら告示日4月18日・基準日4月17日・住民票の期限2027年1月17日。町村なら告示日4月20日・基準日4月19日・期限1月19日。都道府県議会議員・指定都市議会議員なら告示日4月2日・基準日4月1日・期限2027年1月1日。知事選は2026年12月24日、指定都市の長は12月27日が目安で、年内に終わっていなければなりません。投票日から3か月を引くと実際の締切より遅い日付になるので、必ず基準日から数えてください。
告示前に「投票してください」と言ってはいけないのですか
はい。立候補届出前の選挙運動は事前運動として禁止されています。告示前にできるのは政治活動です。地域の課題について自分の考えを述べる、活動報告を配る、勉強会を開く、SNSで発信する。こうした活動で「何を考えている人なのか」を知ってもらう期間と位置づけてください。後援会への入会の呼びかけも、時期や場所、投票を依頼したかどうかによって事前運動とみなされる場合があります。判断に迷ったら選挙管理委員会に相談してください。
供託金と公費負担以外に、必ずかかるお金はありますか
法律上避けられないのは供託金だけです。ポスター・ビラ・選挙カーは、条例があれば公費負担の範囲内で対応できる場合があります。限度額は自治体によって異なります。一方で、事務所の賃料、電話代、ウェブサイトの制作費、人件費などは公費の対象外です。人件費には公職選挙法197条の2の制限があり、報酬を払える対象と上限額が法令で決まっています。公費負担には一定の得票が条件になる点にもご注意ください。
AI生成画像の表示義務は、政治活動にもかかりますか
改正後の公職選挙法142条の5が対象とするのは、選挙運動のために使用する文書図画と、公示・告示日から選挙当日までに頒布される落選運動用の文書図画です。告示前の政治活動用の文書図画は、条文上この2つには当たりません。ただし、どこからが選挙運動用に当たるかは内容と時期で判断されます。具体的な線引きは総務大臣の指針で示される予定です。実務としては、告示前であってもAIで作った画像にはその旨を表示しておくほうが安全です。
改正でメールが自由になるなら、名簿を買って一斉送信してもよいのですか
公職選挙法上の選挙運動用電子メールの制限はなくなりますが、特定電子メールの送信の適正化等に関する法律など他の法律の規制は残ります。また、本人の同意なく取得した名簿の利用には個人情報保護法上の問題が生じます。改正の趣旨は「メールをウェブサイトと同じ枠組みに揃えること」であって、無制限の一斉送信を認めるものではありません。142条の3第3項により、連絡先の表示義務は引き続きかかります。
今は2026年10月です。もう間に合わないのではないですか
間に合います。ポスターの掲示制限が始まるのは、ポスターを貼っている人にとっての締切です。これから始める方にとっての実質的な締切は、引っ越しを伴う場合の住民票(市議選なら2027年1月17日、都道府県議選なら1月1日)と、立候補予定者説明会(2027年2〜3月ごろ)です。もうひとつ、2027年1月11日・1月25日から始まる寄附等の禁止期間は、後援会の行事を組む方にとっての締切になります。残り半年で知名度をつくるのは楽ではありませんが、市議選の選挙運動期間は7日間しかなく、現職も新人も短期決戦である点は同じです。まず選挙管理委員会に行って、任期満了日と条例を確認してください。
まとめ
2027年統一地方選の日程は、2026年10月16日に閣議決定・国会提出された臨時特例法案が、公布された日に確定します。2026年10月17日時点ではまだ法律ではありません。それでも法案には、投票日(前半4月11日・後半4月25日)と告示日が日付で書かれており、準備の締切はここから引けます。
通過しなければならない順に並べると、最初の関門は任期満了日の6か月前から始まるポスターの掲示制限。次が投票日の90日前(前半2027年1月11日・後半1月25日)から始まる寄附と後援会行事の制限。そして基準日の3か月前までの住民票の異動。前半戦と後半戦の掛け持ちはできませんから、出る選挙は年内に決めてください。
供託金以外の費用は、条例の範囲内で公費に乗せる設計ができます。ポスターとビラは公費負担の範囲内で手配し、持ち出しを0円に近づける。街宣車も手配します。まずは選挙管理委員会で任期満了日と条例を確認し、そこから逆算してください。
逆算スケジュールを一緒に作りませんか
あなたの自治体の任期満了日、公費負担の条例と限度額、ポスター掲示場の数を調べ、投票日までのスケジュールと見積もりをお渡しします。ポスターとビラは公費負担の範囲内で手配するため、持ち出しを0円に近づけられます。街宣車の手配も承ります。相談は無料です。
出典
- 総務省「地方公共団体の議会の議員及び長の選挙期日等の臨時特例に関する法律案」概要(第222回国会提出法案) https://www.soumu.go.jp/main_content/001096558.pdf
- 総務省「地方公共団体の議会の議員及び長の選挙期日等の臨時特例に関する法律案」要綱 https://www.soumu.go.jp/main_content/001096559.pdf
- 総務省「地方公共団体の議会の議員及び長の選挙期日等の臨時特例に関する法律案」法律案・理由(第1条〜第8条・附則の条文全文) https://www.soumu.go.jp/main_content/001096560.pdf
- 首相官邸「令和8年10月16日 閣議案件」(臨時特例法案が閣議決定されたことの確認。所管は総務省) https://www.kantei.go.jp/jp/kakugi/2026/kakugi-2026101601.html
- 参議院「第222回国会 議案情報|地方公共団体の議会の議員及び長の選挙期日等の臨時特例に関する法律案」(閣法第16号・提出 令和8年10月16日・衆議院先議) https://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/gian/222/meisai/m222080222016.htm
- e-Gov法令検索「公職選挙法」第9条・第10条・第21条・第22条・第33条・第34条の2・第92条・第119条・第141条・第142条の3・第142条の6・第143条・第197条の2・第199条の2・第199条の5・第201条の14・第270条 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC1000000100
- e-Gov法令検索「公職選挙法」2027年3月1日施行版(令和8年法律第58号による改正後)第142条の3・第142条の5・第142条の6・第142条の7 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC1000000100_20270301_508AC1000000058
- e-Gov法令検索「公職選挙法施行令」第110条の5 https://laws.e-gov.go.jp/law/325CO0000000089
- e-Gov法令検索「地方自治法」第93条・第140条 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000067
- e-Gov法令検索「地方公共団体の議会の議員及び長の選挙期日等の臨時特例に関する法律」(令和4年法律第84号) https://laws.e-gov.go.jp/law/504AC0000000084
- 総務省「令和5年統一地方選挙執行予定団体に関する調(令和5年2月1日現在)」(令和5年2月22日公表) https://www.soumu.go.jp/main_content/000863433.pdf
- 岡山市選挙管理委員会「政治活動用ポスターが掲示できない期間について」 https://www.city.okayama.jp/shisei/0000085467.html
- 京都市選挙管理委員会「よくある質問(政治活動編)」 https://www.city.kyoto.lg.jp/senkyo/page/0000304234.html
- 丹波市選挙管理委員会「選挙人名簿と選挙権について」 https://www.city.tamba.lg.jp/soshiki/senkyokanri_ijimukyoku/gyomuannai/1-4/3506.html
- 船橋市選挙管理委員会「選挙人名簿について」(選挙時登録の基準日は公示・告示日の前日) https://www.city.funabashi.lg.jp/shisei/senkyo/002/p047038.html
- 自民党「統一地方選挙の期日等の臨時特例法案を了承」(2026年10月8日・総務部会と政治制度改革本部の合同会議) https://www.jimin.jp/news/information/214343.html
- 時事通信「来春の統一地方選、4月11・25日投票 政府」(2026年10月2日) https://www.jiji.com/jc/article?k=2026100200809&g=pol
- NHK「来春統一地方選 4月11日・25日実施へ 自民に特例法案提示 政府」(2026年10月8日) https://news.web.nhk/newsweb/na/nd-20261008de56779