選挙費用

選挙ビラの印刷と配布の完全ガイド|法定枚数・証紙・公費負担の使い方

選挙ビラの印刷から配布まで。市議4,000枚などの法定枚数、A4の規格、証紙、配れる4つの場所と、作成費用の公費負担1枚8円38銭の上限を条文と選管資料で解説。試算ツールつき。

選挙ビラは、候補者が自分の政策を有権者の手元に残せる、数少ない道具です。ポスターは顔と名前しか載りませんし、街頭演説は通り過ぎれば消えます。紙一枚は、家に持ち帰って読んでもらえます。

一方で、ビラには細かい決まりがあります。配れる枚数、種類の数、大きさ、表面に書く名前、貼る証紙、そして配っていい場所。どれか一つを外すと、公職選挙法違反になります。この記事では、選挙ビラの印刷から配布までを、公職選挙法・施行令の条文と選挙管理委員会の公表資料にもとづいて順番に整理しました。作成費用の公費負担がいくらまで出るのか、見積りを入れて試算できるツールも用意しています。

この記事は2026年10月時点の公職選挙法・公職選挙法施行令および各自治体の公表資料にもとづいています。地方選挙のビラ作成費用の公費負担は各自治体の条例で定められるため、単価や手続きは自治体によって異なります。実際の手続きにあたっては、必ずお住まいの選挙管理委員会にご確認ください。

結論:選挙ビラは「枚数・種類・証紙・配る場所」の4点で決まる

選挙運動用のビラは、公職選挙法第142条が入口から出口まで決めています。候補者の側で自由に決められるのは、紙に何を書くかだけです。枚数、種類の数、大きさ、表面の記載、証紙、配り方は、すべて法律と政令が指定しています。

市議会議員選挙(指定都市以外)を例にすると、こうなります。

配れる枚数(指定都市以外の市議会議員選挙) 4,000枚 公職選挙法第142条第1項第6号。選挙管理委員会に届け出た2種類以内のビラの合計です
作成費用の公費負担(1枚あたりの上限) 8.38円 8円38銭。公職選挙法施行令第109条の8が第109条の7を読み替えた額です
限度額(8円38銭×4,000枚) 33,520円 浦安市が公表している市議会議員選挙の限度額と同じ額です。自治体によって異なる場合があります

ビラを使う前に押さえる6つのこと

  • 枚数は選挙の種類ごとに法律で決まっています。町村議会議員選挙は1,600枚、市議会議員選挙は4,000枚です(法第142条第1項)
  • 種類は2種類以内。しかも事前に選挙管理委員会へ届け出たものだけです
  • 大きさは長さ29.7センチ・幅21センチ以内。A4がちょうど上限です(法第142条第8項)
  • 選挙管理委員会が交付する証紙を貼らないと頒布できません(法第142条第7項)
  • 配れるのは新聞折込み・選挙事務所内・個人演説会の会場内・街頭演説の場所の4つだけです(法第142条第6項、施行令第109条の6第3号)
  • 作成費用の公費負担は条例があってはじめて受けられます(法第142条第11項)。金額は条例で定めるため、自治体によって異なる場合があります

この6つを外さなければ、ビラは選挙運動のなかでもっとも費用対効果の高い道具になります。作成費用が公費で払われる一方、紙一枚あたりの単価は数円で、ポスターや街宣車とは桁が違うためです。選挙全体のなかでビラがどのくらいの位置を占めるかは、市議会議員選挙の費用の記事で項目別に確認できます。

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配れる枚数は選挙の種類で決まっています

公職選挙法第142条第1項は、選挙の種類ごとに通常葉書とビラの枚数を定めています。「候補者一人について」の数字で、陣営全体の合計です。運動員が別に刷って配ることはできません。

選挙別の法定枚数

選挙の種類 通常葉書 ビラ 根拠
都道府県知事選挙 35,000枚〜 100,000枚〜300,000枚 第142条第1項第3号
都道府県議会議員選挙 8,000枚 16,000枚 同項第4号
指定都市の長の選挙 35,000枚 70,000枚 同項第5号
指定都市の議会議員選挙 4,000枚 8,000枚 同項第5号
指定都市以外の市長選挙 8,000枚 16,000枚 同項第6号
指定都市以外の市議会議員選挙 2,000枚 4,000枚 同項第6号
町村長選挙 2,500枚 5,000枚 同項第7号
町村議会議員選挙 800枚 1,600枚 同項第7号

ビラはどの選挙でも通常葉書のちょうど2倍です。知事選挙だけは、都道府県の区域内にある衆議院小選挙区の数で枚数が変わります。小選挙区が1つなら10万枚で、1つ増えるごとに1万5千枚を加え、30万枚が頭打ちです。

選挙の種類別の選挙運動用ビラの法定枚数 選挙運動用ビラの法定枚数(候補者1人あたり) 公職選挙法第142条第1項。知事選挙は選挙区の数で変わるため除いています 町村議会議員 1,600枚 市議会議員(指定都市以外) 4,000枚 町村長 5,000枚 市議会議員(指定都市) 8,000枚 都道府県議会議員/市長 16,000枚 議員選挙のうち新人が挑みやすい区分 その他
図1:選挙運動用ビラの法定枚数。ビラはいずれの選挙でも通常葉書の2倍の枚数です

町村議会議員選挙でビラが使えるようになったのは2020年12月からです

町村議会議員選挙は、長いあいだビラを配れませんでした。解禁されたのは令和2年法律第45号です。総務省が公表した改正法概要には、「町村議会議員選挙における選挙運動用ビラの頒布を解禁すること。ビラの頒布の上限枚数は1,600枚(通常葉書の2倍)とし、ビラの種類、頒布方法、規格等は現行法の市議会議員選挙と同様とすること」と書かれています。

同じ改正で、町村議会議員選挙・町村長選挙の選挙運動用自動車・ポスター・ビラの作成が条例による選挙公営の対象になり、町村議会議員選挙に15万円の供託金が導入されました。施行は公布の日(2020年6月12日)から起算して6月を経過した日です。

都道府県議会議員選挙と市議会議員選挙でビラが解禁されたのは、これより前です。高山市が制度導入時に公表した案内によると、公職選挙法が平成29年6月21日に改正され、平成31年3月1日以降に告示される都道府県および市の議会議員選挙から頒布できるようになりました。つまり町村議会議員選挙のビラは、まだ数回しか使われていない新しい道具です。前例が少ないぶん、丁寧に作れば差がつきます。町村の選挙ならではの事情は町議会議員選挙の費用の記事でまとめています。

大きさはA4以内。表面に2人の名前と住所を入れる

規格は長さ29.7センチ・幅21センチが上限

公職選挙法第142条第8項は、第1項のビラ(=候補者が配るビラ)について「長さ二十九・七センチメートル、幅二十一センチメートルを、超えてはならない」と定めています。A4判がちょうど上限です。熊谷市の案内も「29.7センチ×21センチ(A4版)以内」と明記しています。

二つ折りや三つ折りにして仕上げるのは問題ありません。折る前の大きさがA4以内であればよく、折って小さくなった分は不利になりません。両面に印刷することもできます。高山市の案内は「A4判 両面」としており、顔写真・名前・公約を載せる前提になっています。

2026年1月の規格統一は、ビラには関係ありません

2026年1月1日に施行された令和7年法律第20号で、選挙運動用自動車とポスターの規格が全選挙で統一されました。総務省が公表した法律要綱に挙がっているのは、第141条(自動車を乗車定員10人以下・車両総重量3.5トン未満に統一)と第143条(ポスターを長さ42センチ・幅40センチ以内に統一し、個人演説会告知用ポスターを廃止)の2点だけです。ビラに関する改正はありません。ポスターの規格が変わったという話を聞いてビラの仕様を作り直す必要はありません。ポスター側の変更点は選挙ポスターの公費負担の記事で整理しています。

表面に書かなければならないのは「頒布責任者」と「印刷者」

第142条第9項は、ビラの表面に頒布責任者および印刷者の氏名(法人の場合は名称)および住所を記載しなければならないと定めています。2人分です。候補者名だけでは足りません。

記載事項 必須か 補足
頒布責任者の氏名と住所 必須 候補者本人でも、出納責任者でも、後援会の担当者でも構いません
印刷者の氏名(法人は名称)と住所(法人は所在地) 必須 実際に刷った業者です。デザイン会社ではなく印刷会社を書きます
選挙管理委員会への見本の届出 自治体の運用 熊谷市は「あらかじめ、ビラの見本を選挙管理委員会に届け出てください」と案内しています
候補者の顔写真・名前・公約 任意 内容の制限は原則ありません。ただし虚偽の記載は法第235条の虚偽事項公表罪に触れます
有料広告(企業名・商品名の広告枠) 注意 候補者の氏名等を表示した有料広告をインターネット上の文書図画に載せさせることは法第142条の6で禁じられています

届け出た2種類以内のビラのうち、1種類目を公約中心、2種類目を経歴とプロフィール中心に分ける陣営が多くあります。枚数は2種類の合計で法定枚数以内です。市議会議員選挙なら、公約版2,000枚・経歴版2,000枚という配分も、公約版3,000枚・経歴版1,000枚という配分も可能です。

配っていい場所は4つだけ。ポスティングと郵送はできません

ここが、ビラでもっとも事故が起きるところです。公職選挙法第142条第6項は、ビラは「新聞折込みその他政令で定める方法によらなければ、頒布することができない」と定めています。そして公職選挙法施行令第109条の6第3号が、地方選挙のビラ(法第142条第1項第2号から第7号までのビラ)について定める方法は、「当該ビラに係る候補者の選挙事務所内、個人演説会の会場内又は街頭演説の場所における頒布」です。

法律の「新聞折込み」と、政令の3つを合わせて4つ。これ以外の配り方はできません。

配り方 可否 根拠・補足
新聞折込み できる 法第142条第6項が条文で認めています
選挙事務所の中で渡す できる 施行令第109条の6第3号
個人演説会の会場の中で渡す できる 施行令第109条の6第3号
街頭演説の場所で渡す できる 施行令第109条の6第3号。標旗を立てて演説している、その場所でのことです
各戸にポスティングする できない 4つの方法に入っていません
郵送する・宅配便で送る できない 4つの方法に入っていません。郵送できるのは通常葉書です
駅前を歩きながら通行人に渡す できない 街頭演説をしていない場所での頒布は認められていません
置きビラ(店や施設に置いてもらう) できない 4つの方法に入っていません
まき散らす(散布) できない 法第142条第1項後段が「ビラについては、散布することができない」と明記しています
回覧板にはさんで回す できない 法第142条第12項が、多数の者に回覧させることを頒布とみなしています
法第142条に違反して頒布すると、2年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金です

公職選挙法第243条第1項第3号は、「第百四十二条の規定に違反して文書図画を頒布した者」を2年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金に処すと定めています。選挙運動に慣れた支援者が善意でポスティングしてしまう事故が、現場では起こります。ビラを渡すときに「この4つの場所以外では配らないでください」と口で伝えておくことが、いちばんの予防です。

新聞折込みの料金は、公費負担の対象外です

新聞折込みは4つの方法のなかでいちばん広く届きますが、折込料金は候補者の負担です。公費負担の対象はビラの「作成」費用だけで、配る費用は入っていません(法第142条第11項)。

折込料金は折込会社と新聞販売店ごとに決まります。公表されている料金表の一例として、北日本新聞サービスセンターはB4・B5・A4の折りなしを1枚3.85円(税込、配送仕分管理料0.22円を含む)と案内しています。この単価なら、市議会議員選挙でビラ4,000枚のうち2,000枚を折込みに回すと、折込料だけで7,700円かかります。エリア・新聞銘柄・紙の厚さで変わるため、見積りは必ず取ってください。

折込みに回す枚数と費用の考え方(北日本新聞サービスセンターの公表単価で試算)

折込単価3.85円 × 折込枚数2,000枚 = 折込料(自己負担)7,700円

折込料は公費負担の対象外です。単価はエリア・新聞銘柄・紙の厚さで変わります。残りの2,000枚は選挙事務所・個人演説会・街頭演説の場所で手渡します。

証紙を貼らないと、1枚も配れません

公職選挙法第142条第7項は、ビラは選挙管理委員会の交付する証紙を貼らなければ頒布することができないと定めています。印刷が仕上がっていても、証紙がない紙は1枚も配れません。

証紙は、立候補の届出が受理された候補者に交付されます。熊谷市の公営物資一覧には、候補者用通常葉書使用証明書・新聞広告掲載証明書・選挙運動用自動車表示板・街頭演説用標旗などと並んで「⑨選挙運動用ビラ証紙」が挙がっています。つまり、受け取れるのは告示日に届出が受理されたあとです。

  1. 告示日の前に、ビラの見本を選挙管理委員会に届け出る——自治体によって提出の時期と様式が違います。熊谷市は「あらかじめ、ビラの見本を選挙管理委員会に届け出てください」と案内しています。2種類作るなら2種類とも届け出ます
  2. 告示日に立候補の届出をし、証紙を受け取る——法定枚数分が交付されます。市議会議員選挙なら4,000枚分です
  3. 刷り上がったビラの表面に、1枚ずつ証紙を貼る——枚数分の手作業です。4,000枚なら、5人で分担しても1人800枚です
  4. 折込みに回す分と、手渡しする分を先に分ける——折込会社に持ち込む分は証紙を貼り終えていないと受け付けてもらえません。搬入の締切から逆算します
  5. 証紙を貼った分だけを、4つの場所で配る——貼り忘れた1枚が法第142条違反になります
証紙貼りの作業費は、公費負担にも印刷代にも入っていません

証紙貼りは候補者側の作業です。印刷業者の公表価格を見ても、販促クリエイト.jpは選挙運動用ビラの商品ページで証紙シールの貼り付け費は価格に含まれないと明記しています。公費負担の対象も「作成」費用だけです。告示日の夜に、人を集めて貼る段取りを組んでおく必要があります。ここを当日に考え始めると、折込みの締切に間に合いません。

私たちが支援に入るときは、証紙貼りを告示日の午前と午後に分け、折込会社の搬入締切に間に合う枚数から先に貼ります。先に全部貼ろうとすると、締切に追われて雑になり、貼り位置がそろわないビラが出ます。順番を決めるだけで、同じ人数でも間に合い方が変わります。

作成費用の公費負担は「1枚8円38銭」が上限

条例があってはじめて公費負担の対象になります

公職選挙法第142条第11項は、地方公共団体の議会の議員または長の選挙について、「地方公共団体は、前項の規定に準じて、条例で定めるところにより、公職の候補者の第一項第三号から第七号までのビラの作成について、無料とすることができる」と定めています。「しなければならない」ではなく「できる」です。

つまり、あなたの自治体に条例がなければ、ビラの作成費用は全額自己負担です。条例の有無は選挙管理委員会で確認できます。制度全体の仕組みは選挙公営制度の記事で、ポスター・自動車とあわせて整理しています。

国の基準は1枚8円38銭

条例の金額は、国政選挙の基準に「準じて」定められます。その基準は公職選挙法施行令第109条の8にあります。第109条の8は通常葉書の規定(第109条の7)を準用し、作成枚数が5万枚以下の場合の単価を「八円三十八銭」と読み替えています。

ビラ作成費用の公費負担(限度額の計算)

1枚あたりの単価上限8円38銭 × 法定枚数選挙の種類で決まる = 限度額公費で払われる上限

実際に支払われるのは「契約の単価(上限を超える場合は上限)×確認された枚数」です。単価が上限を超えた分は、公費では払われません。金額は条例で定めるため、自治体によって異なる場合があります。

自治体の公表値で確かめる

浦安市と亘理町が公表している限度額は、この式と一致します。

自治体 選挙 単価上限 枚数 限度額
浦安市 市議会議員選挙 8円38銭 4,000枚 33,520円
浦安市 市長選挙 8円38銭 16,000枚 134,080円
亘理町 町長選挙 8円38銭 5,000枚 41,900円
亘理町 町議会議員選挙 8円38銭 1,600枚 13,408円

浦安市は「すべての金額は消費税込みです」と注記しています。業者の見積りは税別表示が多いため、単価が上限に収まるかを見るときは税込に直してから8円38銭と比べる必要があります。この扱いも自治体の案内で確認してください。

古い案内に残っている金額に注意してください

ビラの公費単価は、制度が始まった当初は1枚7円51銭でした。高山市が市議会議員選挙でビラの公費負担を導入したときの案内には「1枚につき7円51銭を限度とする」と書かれています。現行の施行令は8円38銭です。条例や案内の改定が追いついていない資料がネット上に残っています。必ず、今回の選挙について選挙管理委員会が出している最新の案内で確認してください。

供託物が没収される得票だと、公費負担は受けられません

法第142条第10項は後段で第141条第7項ただし書を準用し、第11項はその第10項に「準じて」条例を定めるとしています。結果として、供託物没収点に達しない得票だった場合、ビラの作成費用は公費では払われません。浦安市も「公費負担は供託物没収点以上の得票があった場合に限られます」と明記しています。

没収点は選挙の種類で違います。市議会議員選挙・町村議会議員選挙なら「有効投票総数÷議員定数×10分の1」です。供託金と没収点の計算は選挙の供託金の記事で選挙別に一覧にしています。

条例の有無と単価、見本の届出時期まで、あなたの自治体の条件を調べてお伝えします。街宣車の手配も承ります。 無料でお見積もりできます →

同じA4両面4,000枚でも、発注先で持ち出しは変わります

公費負担には「1枚8円38銭」という単価の天井があります。この天井の意味は、単価が8円38銭を超えた分は、1円も公費では払われないということです。枚数が同じでも、発注先の単価によって持ち出しが変わります。

公表されている価格表から、A4両面カラー4,000部の金額を並べてみます。仕様と納期が違うので、金額だけの優劣ではありません。

発注先(公表価格) 仕様・納期 4,000部の価格 1枚あたり 公費の判定
選挙証紙ビラ印刷(ayato.co.jp) A4・コート90k・両面カラー/10日で発送準備 19,100円(税別) 5円25銭(税込換算) 上限内
選挙運動ビラ印刷(senkyoposter.net) A4・コート90k・両面カラー/6日で発送準備 26,700円(税別) 7円34銭(税込換算) 上限内
販促クリエイト.jp(1色×0色) A4二つ折り・マットコート/納期は別表 74,250円 18円56銭 上限超過
販促クリエイト.jp(4色×4色) A4二つ折り・マットコート/納期は別表 101,550円 25円38銭 上限超過

税別表示の2社は、税込に直して1枚あたりを出しました。販促クリエイト.jpの価格表には税の表記がないため、表示額をそのまま税込として扱っています。また同社の商品は二つ折り加工つきで、折り加工のない商品とは仕様が違います。

市議会議員選挙のビラ4,000枚にかかる費用と公費負担の枠の関係 市議会議員選挙でビラ4,000枚を作ったときの持ち出し 公費負担の限度額は33,520円(8円38銭×4,000枚)。各社の公表価格で比べています 公費枠 33,520円 ayato.co.jp 税込21,010円 持ち出し0円 senkyoposter.net 税込29,370円 持ち出し0円 二つ折り・1色 74,250円 持ち出し40,730円 二つ折り・4色両面 101,550円 持ち出し68,030円 公費負担で払われる部分 候補者の持ち出し
図2:単価が8円38銭を超えると、超えた分は全額が持ち出しになります。仕様と納期は各社で異なります(公費枠は自治体によって異なる場合があります)

単価が上限内に収まる発注

持ち出し 0円

税込単価が8円38銭以下なら、作成費用は全額が公費で払われます

浮いた枠を折込料やデザインに回せます

対

単価が上限を超える発注

持ち出し 68,030円

超過分は1円も公費では払われません。4,000枚なら公費は33,520円が天井です

仕様を落とすか、発注先を変えるかの判断になります

デザイン料を「作成費用」に入れられるかは、自治体の運用によります

公費負担の対象は「ビラの作成」です。デザイン料を作成費用として契約に含められるかどうかは、自治体の運用が分かれます。単価に含められる自治体であれば、デザイン込みの単価が8円38銭を超えた時点で超過分が持ち出しになります。契約前に選挙管理委員会へ確認し、契約書には1枚あたりの単価を明記してください。総額だけの契約書では、公費の対象額が決まりません。

私たちが見積りを組むときは、印刷代とデザイン制作費を分けて提示します。公費の単価上限に収まるのは印刷代の部分なので、どこまでが枠内でどこから持ち出しになるかを、契約の前に候補者に見せられるからです。発注先の違いで持ち出しが変わる話は、ポスターや街宣車も含めて選挙の費用相場の記事で選挙種別に比べています。

ビラの公費負担 計算ツール

選挙の種類と見積り金額を入れると、限度額と公費で払われる額、持ち出しの目安を計算します。条例の単価が国の基準と違う自治体は、単価の欄を書き換えてください。

選挙運動用ビラ 公費負担計算ツール

公職選挙法第142条第1項の法定枚数と、施行令第109条の8の単価上限で計算します

このツールの計算は概算です。公費負担の単価と枚数は各自治体の条例で定められるため、実際の金額は自治体によって異なる場合があります。供託物没収点に達しない得票だった場合、公費負担は受けられません。契約前に必ず選挙管理委員会にご確認ください。

契約から請求までの手順

公費負担は、候補者に現金が振り込まれる制度ではありません。候補者が印刷業者と有償契約を結び、自治体が業者へ直接支払います。順番を間違えると、上限の範囲内でも支払われません。

  1. 条例の有無と単価・提出書類を選挙管理委員会で確認する——ビラの公費負担が条例にあるか、単価はいくらか、様式は何かを聞きます。立候補予定者説明会で配られる「公費負担のしおり」に書かれていることが多いです
  2. 印刷業者と有償契約を結ぶ——契約書に1枚あたりの単価を書いてもらいます。総額だけでは公費の対象額が決まりません
  3. ビラの見本を選挙管理委員会に届け出る——2種類作るなら2種類とも届け出ます。熊谷市は「あらかじめ」と案内しています
  4. 契約締結の届出を出す——契約書の写しを添えて提出します。様式と期限は自治体ごとに違います
  5. 告示日に立候補の届出をし、証紙を受け取る——法定枚数分が交付されます
  6. 作成枚数の確認申請を出す——大阪府の様式3-②「ビラ作成枚数確認申請書」は、ビラ作成業者ごとに別々に提出し、「前回までの累積枚数」には他の業者が作成した枚数も含めて書く決まりです。作成枚数の欄には公費負担であるかを問わず全枚数を、確認申請の欄にはそのうち公費として申請する枚数を書きます
  7. 選挙管理委員会が確認書を交付し、業者へ送る——福島県の例では、選管が確認書を交付して業者に送付します
  8. 業者が自治体に請求し、自治体が業者へ支払う——候補者の口座には入りません。没収点に達しない得票だった場合は支払われません
2種類のビラを別々の業者に頼むときは、枚数の管理に注意してください

確認申請はビラ作成業者ごとに出します。累積枚数には他の業者が作った分も含めるため、2社に分けて発注すると、どちらの申請にも相手の枚数を書く必要があります。市議会議員選挙なら合計4,000枚が天井なので、A社2,500枚・B社2,000枚と発注してしまうと、合計4,500枚のうち500枚は公費の対象外になります。

持ち出しが増える7つの落とし穴

1. 条例がない自治体で、公費を前提に発注してしまう

法第142条第11項は「できる」規定です。条例がなければ作成費用は全額自己負担です。まず条例の有無を確認してください。

2. 単価が8円38銭を超えた発注をする

超過分は1円も公費では払われません。デザイン込みで総額だけの見積りを取ると、単価がいくらになるのか最後まで分かりません。1枚あたりの単価で見積りを取り直してください。

3. 契約書に単価が書かれていない

公費の支払額は「契約の単価×確認枚数」で決まります。総額しか書かれていない契約書では、選挙管理委員会が対象額を確定できません。

4. 法定枚数を超えて刷る

超えた分は公費の対象外です。さらに、超えた分を配ると法第142条違反になります。証紙も法定枚数分しか交付されません。

5. 折込料・証紙貼りの人件費を公費に見込んでしまう

公費の対象は「作成」費用だけです。折込料も、証紙貼りの手間も、配布に関わる費用は候補者の負担です。

6. 選挙が終わったあとにビラを配る

法第178条第2号は、選挙の期日後に当選または落選に関し選挙人にあいさつする目的で文書図画を頒布することを禁じています。インターネットを利用する方法で頒布される文書図画は除かれていますが、紙のビラは除外されていません。残ったビラは配れません。

7. 告示日の前にビラを配る

選挙運動ができるのは、立候補の届出のあった日から選挙の期日の前日までです(法第129条)。それより前に選挙運動用ビラを配ると事前運動になります。また法第146条は、選挙運動期間中に第142条の禁止を免れる行為として、あいさつ状など候補者の氏名を表示した文書図画を頒布することを禁じています。「ビラではなく後援会の案内です」という形も、同条の対象になり得ます。新人が告示前にできることは選挙準備のスケジュールの記事で時期ごとに整理しています。

2027年3月からのAI生成画像の表示義務は、紙のビラには適用されません

令和8年法律第58号(2026年7月17日公布、2027年3月1日施行)で、新しい第142条の5が入ります。見出しは「インターネット等を利用する方法により人工知能関連技術を利用して作成された画像等が掲載された文書図画を頒布する者の表示義務」で、条文も「インターネット等を利用する方法により頒布する者」を対象にしています。紙のビラは対象外です。ただし、同じ画像をウェブサイトやSNSに載せる場合は表示義務がかかります。ネット選挙運動の改正点は無所属・新人の戦い方の記事でまとめています。

よくある質問

ビラは2種類まで。なぜ2種類に分けるのですか?

第142条第1項は「選挙管理委員会に届け出た二種類以内のビラ」と定めています。1種類でも構いません。2種類に分ける陣営が多いのは、渡す相手で内容を変えられるからです。街頭演説で初対面の人に渡す一枚は、顔と名前と公約を大きく。個人演説会で来てくれた人に渡す一枚は、経歴と政策の詳細を細かく。枚数は2種類の合計で法定枚数以内です。

ビラを折ってもいいのですか?

折れます。第142条第8項が制限しているのは「長さ29.7センチメートル、幅21センチメートル」で、A4以内であればよいからです。折ってさらに小さくなる分は問題になりません。二つ折り・三つ折りの商品を扱う印刷業者もあります。ただし折り加工には料金がかかり、1枚あたりの単価が上がります。単価が8円38銭を超えると、超えた分は公費では払われません。

証紙はいつ、どこでもらえますか?

告示日に立候補の届出が受理されたあと、選挙管理委員会から交付されます。熊谷市の案内では、通常葉書使用証明書・街頭演説用標旗・運動員用腕章などと同じ「公営物資」として「⑨選挙運動用ビラ証紙」が挙がっています。法定枚数分が交付されます。告示日の前には受け取れないため、証紙貼りの作業は告示日以降に組むことになります。

ポスティングは本当にできないのですか?

できません。第142条第6項は「新聞折込みその他政令で定める方法によらなければ、頒布することができない」と定めています。地方選挙のビラについて施行令第109条の6第3号が定める方法は、選挙事務所内・個人演説会の会場内・街頭演説の場所の3つです。法律の新聞折込みを加えて4つで、ポスティングは入っていません。違反すると法第243条第1項第3号により2年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金です。善意の支援者がやってしまう事故が多いので、ビラを預けるときに必ず伝えてください。

街頭演説の場所なら、歩きながら配ってもいいのですか?

認められているのは「街頭演説の場所における頒布」です。標旗を立てて演説をしている、その場所でのことを指します。演説を終えて移動しながら通行人に渡していく配り方は、この範囲に入りません。また第142条第1項後段は、ビラについて散布を禁じています。まき散らす行為は、どの場所でもできません。

公費負担の33,520円は、候補者に振り込まれるのですか?

振り込まれません。自治体が印刷業者へ直接支払う仕組みです。しかも定額の交付金ではなく、実際に要した費用を上限まで払う制度です。亘理町は「限度額は実際に要した費用を支払う上限であり、定額で支払われるものではありません」と注記しています。19,100円で作れば19,100円分(税込21,010円)が払われ、差額が手元に残ることはありません。

落選したら、ビラの費用は自分で払うのですか?

落選そのものが条件ではありません。条件は供託物没収点です。第142条第10項後段が第141条第7項ただし書を準用し、第11項の条例もこれに準じます。没収点以上の得票があれば、落選しても公費負担を受けられます。逆に、没収点に達しなければ作成費用は全額自己負担です。市議会議員選挙・町村議会議員選挙の没収点は「有効投票総数÷議員定数×10分の1」です。

2026年1月にポスターの規格が変わったと聞きました。ビラも変わったのですか?

変わっていません。令和7年法律第20号の改正内容は、総務省の法律要綱によると選挙運動用自動車の規格(第141条)とポスターの規格統一および個人演説会告知用ポスターの廃止(第143条)の2点です。ビラに関する改正はありません。第142条のビラの枚数・種類・規格・頒布方法・公費負担は、改正の前後で同じです。

町村議会議員選挙でもビラを配れますか?

配れます。令和2年法律第45号で解禁され、上限は1,600枚です。同じ改正で作成費用が条例による公費負担の対象になり、供託金15万円が導入されました。施行は2020年6月12日の公布から6月を経過した日です。まだ使われた回数が少ないので、丁寧に作った一枚が目立ちやすい選挙でもあります。

ビラとポスター、どちらを先に手配すべきですか?

ポスターです。ポスターは掲示場の数だけ必要で、公費の限度額も桁が大きく、掲示の段取りに人手がかかります。浦安市の例では市議会議員選挙のポスターの限度額が449,687円で、ビラの33,520円の13倍です。ただしビラには「告示日の夜に証紙を貼る」という、ポスターにはない作業があります。手配の順番はポスターから、作業の段取りはビラも同時に、と考えてください。

まとめ:ビラは、公費の枠内に収めやすい費目です

ビラは、選挙運動の費目のなかでは金額が小さく、公費の枠内に収めやすい部分です。市議会議員選挙なら、公表価格で税込2万円台の発注先があり、公費の限度額33,520円の範囲に収まります。気をつけるべきなのは金額よりも手続きと配り方です。

  • 条例の有無と単価を選挙管理委員会で確認する——自治体によって異なる場合があります
  • 見積りは1枚あたりの単価で取り、契約書に単価を書いてもらう——総額だけでは公費の対象額が決まりません
  • 法定枚数を超えて刷らない——超過分は公費の対象外で、配れば法第142条違反です
  • 表面に頒布責任者と印刷者の氏名・住所を入れる——2人分です
  • 告示日の前に見本を選挙管理委員会へ届け出る——2種類作るなら2種類とも
  • 告示日の夜に証紙を貼る人手と時間を押さえておく——折込会社の搬入締切から逆算します
  • 配るのは新聞折込み・選挙事務所内・個人演説会の会場内・街頭演説の場所の4つだけ——支援者に預けるときに必ず伝えます

手続きを踏めば、ビラは持ち出しをほとんど出さずに使える道具になります。選挙全体で何にいくらかかるのかは選挙の費用相場の記事で、公費負担の全体像は選挙公営制度の記事で確認できます。

ビラのデザインから証紙貼りの段取りまで。ポスターとビラは持ち出し0円で、まとめてお任せください

0円選挙.COMは、選挙運動用ビラのデザイン・印刷から、見本の届出、契約締結の届出、作成枚数の確認申請まで一括で行います。あなたの自治体の条例を取り寄せ、単価の上限を確定させたうえで、公費負担の枠に収まる発注の組み立てをご提案します。選挙ポスターとビラは公費負担の範囲内で制作し、候補者の持ち出しは0円です。街宣車(選挙カー)の手配も承ります。政治現場10年以上の実務者と、京都大学大学院で研究を続けるメンバーが対応します。相談は無料です。

出典

  1. e-Gov法令検索「公職選挙法」第129条・第142条・第146条・第178条・第243条 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC1000000100
  2. e-Gov法令検索「公職選挙法施行令」第109条の6・第109条の7・第109条の8 https://laws.e-gov.go.jp/law/325CO0000000089
  3. 総務省「公職選挙法の一部を改正する法律要綱(選挙運動に関する規格の簡素化)」令和7年法律第20号 https://www.soumu.go.jp/main_content/001002901.pdf
  4. 総務省「公職選挙法の一部を改正する法律概要」(令和2年法律第45号。町村議会議員選挙のビラ頒布解禁1,600枚・選挙公営の拡大・供託金15万円の導入) https://www.soumu.go.jp/main_content/000693361.pdf
  5. 浦安市「選挙運動費用の公費負担」(市議会議員選挙のビラ 8円38銭×4,000枚=33,520円、市長選挙16,000枚=134,080円) https://www.city.urayasu.lg.jp/shisei/senkyo/senkyo/1003176.html
  6. 亘理町「選挙運動費用の公費負担(選挙公営)制度」(町長選挙5,000枚=41,900円、町議会議員選挙1,600枚=13,408円) https://www.town.watari.miyagi.jp/town/detail.php?content=1277
  7. 熊谷市選挙管理委員会「公営物資(候補者に交付される表示物・証明書類等)について」(選挙運動用ビラ証紙・見本の届出・頒布方法) https://www.city.kumagaya.lg.jp/about/soshiki/senkyo/senkyokanriiinkai/oshirase/rikkouho.files/kouei.pdf
  8. 高山市「高山市議会議員選挙における選挙運動用ビラ作成費用の公費負担について」(制度導入時の案内。当時の単価は1枚7円51銭) https://www.city.takayama.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/009/429/birasityou01.pdf
  9. 大阪府選挙管理委員会「様式3-② ビラ作成枚数確認申請書」 https://www.pref.osaka.lg.jp/documents/137433/03-2bira.pdf
  10. 衆議院「公職選挙法の一部を改正する法律案(要綱)」第201回国会(施行期日は公布の日から起算して6月を経過した日) https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/youkou/g20105016.htm
  11. 選挙証紙ビラ印刷(ayato.co.jp)「選挙証紙ビラ印刷10日発送」A4コート90k両面カラー4,000部 19,100円(税別) https://ayato.co.jp/item/21949.html
  12. 選挙運動ビラ印刷(senkyoposter.net)A4コート90k両面カラー4,000部 26,700円(税別) https://senkyoposter.net/item/11701.html
  13. 販促クリエイト.jp(小川印刷運営)「選挙運動用ビラ・証紙ビラ(A4二つ折り)」4,000部 74,250円〜101,550円。証紙シール貼り付け費は価格に含まれない https://www.hansoku-create.jp/shop/g/g100061/
  14. 北日本新聞サービスセンター「折込料金」B4・B5・A4折りなし 1枚3.85円(税込、配送仕分管理料0.22円を含む) https://kitanippon-sc.co.jp/price.php

本記事は2026年10月時点の公職選挙法・公職選挙法施行令および各自治体の公表資料にもとづいています。2026年1月1日に施行された令和7年法律第20号(選挙運動に関する規格の簡素化)はビラの規定を改正していません。2027年3月1日に施行される令和8年法律第58号の第142条の5は、インターネット等を利用する方法により頒布される文書図画を対象とするものです。法令および各自治体の条例は改正される場合があります。ビラ作成費用の公費負担の単価・枚数・手続きは自治体によって異なる場合がありますので、実際の手続きにあたっては、必ずお住まいの選挙管理委員会にご確認ください。印刷業者および折込会社の料金は各社の公表値であり、変更される場合があります。

株式会社MOPPs/0円選挙.COM

選挙運動・政治活動支援/立候補手続きの行政書士代行

京都大学大学院の現役社会人学生を中心とした学生ベンチャーです。政治現場10年以上の実務者、政策立案の経験者、法科大学院出身者、AI研究者が在籍しています。選挙カー・ポスター・ビラを公費負担の範囲内で手配し、候補者の持ち出しを0円に近づける支援を行っています。TEL 050-8885-6420/senkyo@mopps.co.jp

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